入手困難になってから話題を呼ぶ作品を時々見かけるが本作もそんな一枚になりそう。2000年代初頭突然ノルウェイから登場、「外資系CDショップ」で局地的な人気を博して名を拡げた。インガー・マリエと記録され、その後も3~4年に一枚の余裕のローテーションで新作発表。今回はジャズファンお馴染みのStuntレーベルからLP3枚目。Torjus Vierliのハイセンスなピアノのバッキングに乗って、音楽向こうの深い言葉に詩情が込められていく。ありきたりだが心に直接響く歌声が、アルバム全体を「静かで温かい音塊」にしてくれる。これからの季節、暖かい火の光を感じながら聴きたい。お馴染み“Sailing”がこころに沁みる!