タイで結成されたテレヴァのファースト・フル・アルバムである本作は、彼らがアジアの枠に収まらないサウンドを鳴らすバンドだと示している。端的に音楽性を表すなら、シューゲイザーになるのだろう。だが、細かいところにまで耳を傾けると、ポスト・ハードコア、ドリーム・ポップ、メタルといったいくつもの要素が丁寧に撹拌されているとわかる。マイ・ブラッディ・ヴァレンタインやジーザス・アンド・メリー・チェインを容易に連想できる一方で、“Once”はマッドチェスター的なダンス・ビートを刻むなど、音の表情は多彩。確かなスキルに基づいた音楽を鳴らせるバンドだ。