キダ・タローが死去した。
キダ・タローが亡くなったことは、所属事務所オフィスとんでのオフィシャルサイトで発表された。亡くなったのは2024年5月14日、93歳だった。
オフィスとんでのコメントは次のとおり
弊社所属の作曲家 キダ・タロー先生が2024年5月14日逝去しました
生前のご厚誼に深謝し謹んでご報告申し上げます
葬儀告別式につきましては 故人の遺志により近親者のみで執り行いました
なお 誠に勝手ながら御香典 御供花 御供物につきましてはご辞退させていただきます
これまでお世話になった関係者の皆様 応援してくださったファンの皆様に
心より感謝 お礼申し上げます
これからもキダ・タロー先生の作品が皆様に愛され続けることを切に願います
株式会社ワイドウィンドウズ
代表取締役 篠原義彦(円 広志)
株式会社オフィスとんで
代表取締役 斎藤一恵
キダ・タローこと木田太良は1930年、兵庫・宝塚生まれ。5男1女の末っ子だった。
オフィスとんでのプロフィールによると、関西学院高等部の在学中に肺結核で亡くなった兄の遺品のアコーディオンに触れ、また別の兄がレコード好きだったため音楽に目覚めた。その後、高校3年でタンゴバンドを結成し、アコーディオンを担当した。
19歳で関西学院大学を中退し、義則忠夫とキャスバオーケストラのピアニストとして10年間活動した。大阪・難波のキャバレー、パナマウントの曲で初めて作曲をし、64年に北原謙二“ふるさとのはなしをしよう”を作曲。
73年からは、ABCラジオの番組「ABCヤングリクエスト・ミキサー完備!スタジオ貸します。」「フレッシュ9時半!キダ・タローです」で活躍。89年には、ABCテレビの番組「探偵!ナイトスクープ」に初出演した。そして90年、〈最高顧問〉として出演していた「探偵!ナイトスクープ」のプロデューサー・松本修から〈浪花のモーツァルト〉と称され、その愛称が定着した(なお本人は、モーツァルトよりショパンが好きだったという)。
キダ・タローは、「プロポーズ大作戦」「ラブアタック!」「2時のワイドショー」「平成古寺巡礼」「バラエティー生活笑百科」「ヤングリクエスト」といったテレビ・ラジオ番組のテーマソングを多数作曲した。また、〈出前一丁〉〈かに道楽〉〈兵衛向陽閣〉〈小山ゆうえんち〉〈日清焼きそば〉〈オリバーソース〉などのCMソングや企業社歌、校歌も数多く手がけている。坂田利夫のテーマ曲“アホの坂田”も有名だ。
2014年には、平成26年(第69回)文化庁芸術祭 大衆芸能部門 大賞を受賞。亡くなるまでに数千曲を生み出したといい、毒舌キャラでも親しまれた。強いインパクトを残すキャッチーなメロディで人々の耳を掴んで離さなかった作曲家に、哀悼の意を表したい。