どうも、この頃パソコンを見つめすぎているせいか、目の下がぴくぴくしている福です。みなさまいかがお過ごしでしょうか。その目の下と同じく最近の私のこころをぴくぴくさせているのが、LAを拠点に活動している29歳のシンガー・ソングライター、タイ・ダラー・サイン(以下、Ty$)でございます!

Ty$はLAのサウス・セントラル地区出身で、アイズレー・ブラザーズのメンバーとして活躍する叔父と、ファンク・バンドのメンバーだった父を持つ音楽一家で育ったそうな。3歳の頃から作詞をしつつキーボードを弾き、ドラム、ベース、 エレキ・ギター、アコースティック・ギター、ヴァイオリン、オルガンを独学で習得したそうですが、早熟極まりないですね……。

そんな彼を一躍有名にしたのが、ヒップホップ・レーベルのデフ・ジャムと契約したLAのラッパー、YGの“Toot It And Boot It”を作曲したことでした。リミックスにはTy$自身に加え、50セントスヌープ・ドッグが参加。Ty$らしい音数少なめのエレクトロなトラックで、それぞれのヴォーカル/ラップが際立つ作りになっています。ベースラインもいい感じ♪

そしてウィズ・カリファ&スヌープ・ドッグがブルーノ・マーズをフィーチャリングした“Young Wild And Free”にも、ソングライターのひとりとして参加。ループするピアノのメロディーが耳に残りますね~。青春映画を観終わったあとのような、読後感ならぬ聴後感が心地よいです。

Ty$のソングライティング・センスを感じてもらったところで、いよいよ彼自身の作品の話をしていきます! 2012年にリリースしたミックス・テープ『Beach House』でヤング・ジーズィーをフィーチャーした“My Cabana”が話題になり、2013年発表の続編『Beach House 2』にはおなじみのウィズ・カリファのほか、トレイ・ソングスジューシー・JDJマスタードなど豪華なアーティストが参加。R&Bやヒップホップをベースにしたエレクトロなトラックは、どうしてもギラギラでハデハデな印象がありますが、Ty$は上品で、ぶりんぶりんすぎない落ち着きがあるので好きです。いい塩梅というか、抑えどころをわかってらっしゃるというか。


今年に入り、そのミックス・テープをまとめたEP『Beach House』をドロップ。B.O.Bとの“Paranoid”のPVは文字通りパラノイアックで最高です。

現在、ウィズ・カリファ主宰のレーベル、テイラー・ギャングに所属しているTy$。ヒップホップ・レーベルにいながら、R&Bフレイヴァーをまとった甘渋なヴォーカルを聴かせてくれるところ、そしてメロディアスなところがたまりません。EP『Beach House』収録のジェイ・ロックとの“Never Be The Same”のアウトロなんて、〈そこでストリングス入れちゃう!? 郷愁感増しちゃうじゃん! ニクい!〉と思わずにはいられません。フュージョンも好きなんだろうなあ。

先月、ルーツと共演した“Paranoid”のライヴ映像もあがっていました。ちょっと緊張しつつも、まっすぐ前を見据えて唄う姿にぐっときます。いや~フル・アルバムが待ち遠しい。これからさらに注目を集めるであろうTy$、チェックしてみてくださいね!
ルーツと共演した“Paranoid”の視聴はこちら