INTERVIEW

フランツ・フェルディナンドとスパークスによるスーパー・バンド=FFSがポップで捻くれつつ〈現代的に聴こえる〉初作を語る

フランツ・フェルディナンドとスパークスによるスーパー・バンド=FFSがポップで捻くれつつ〈現代的に聴こえる〉初作を語る

 フランツ・フェルディナンドスパークスがタッグを組んだスーパー・バンド、FFS。この組み合わせを目にして、〈ついに!〉と思う方と、〈何で?〉と思う方に分かれるんじゃないだろうか。フランツは2003年のデビュー時よりスパークスからの影響を口にしていて、ライヴでは彼らのカヴァーも披露してきた。そうした背景を知っているファンにとっては待望のコラボレーションであるし、そうでない方もファースト・アルバム『FFS』を聴けば、両者の相性が最良であるということに気付くはずだ。

 「僕らにも、フランツのメンバーにも、ひとつの願望があったと思うんだ」と、スパークスのヴォーカリストであるラッセル・メイルが、このコラボのきっかけについて語ってくれた。

 「それは互いにとって後ろ向きなものではなく、過去にやったことの繰り返しでもなく、何らかの形で刺激的なプロジェクトにしようとしていたってこと。ただの2バンドじゃなくて、この2組が一緒になって新しいグループを作るっていうのは、とても興奮する出来事だと思わないかい?」(ラッセル)。

 ラッセルの発言を受けてフランツのフロントマン、アレックス・カプラノスはこう続ける。

 「ラッセルが言ったように、2つのバンドが全員一丸となって作った、いままで耳にしたことのないような刺激的な楽曲を聴いて、リスナーの感情や意識に何かしらの変化がもたらされることを願っているんだ。それがFFSのいちばんの意義だからね」。

FFS FFS Domino/HOSTESS(2015)

 ポップだけれど一筋縄ではいかない、この英米を代表する2組が顔を合わせたからには、〈物凄くひん曲がった音になっているんじゃないか……〉と危惧していた部分も正直あった。しかし、ここに届けられたアルバムは、それが杞憂でしかなかったと痛感させられる仕上がりで、互いのポップな面が絶妙に引き出されており、そこに彼ららしい捻くれた一面も忍ばせるという小技が随所で光った一枚に。また、〈次々に浮かんでくるアイデアを止められなかったのでは?〉と想像してしまうほど、1曲1曲が違う個性と表情を持っている。

 「収録曲はそれぞれ個別に書かれ、独立したものなんだ。もしも何か繋がるものや統一性を生むものがあるとしたら、人生の特定の領域についての共通した見方、共通のユーモアセンスだろうね。でも、僕らはかなり広い範囲のテーマを網羅しようとしたと思うよ。同じアイデアの繰り返しはほとんどないからね」(アレックス)。

 「このアルバムは凄く野心的なんだ。一貫して繋がったテーマはないけれど、作品全体にその存在感を与えようとする野心がある。漠然としたものだから説明することが難しいんだけど……そこに何か1本の糸を通すような大きな意欲があるんだ。これ以上どう説明していいのかわからないな。何て言うか、堂々としたデカイものを作ろうっていう、ある種の要素や気概があったんだよね。どちらのバンドも長い歴史を重ねているけど、このアルバムはキャリアのあるバンドから生まれたようには聴こえないと思う。とても現代的に聴こえるはずだよ」(ラッセル)。

 そう、互いの持ち味を意識的に折衷したり、既存の枠組みのなかで作られたようなサウンドじゃない。年齢は違えども、まるで初めてバンドを組んだ時のようなワクワク感を共有し、心底楽しみながら自由な気持ちでレコーディングに取り組んだのだろう、という空気が伝わってくるのだ。さて、8月に開催される〈サマソニ〉の深夜枠〈HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER〉への出演も決定したFFS。アルバムにパッケージされた勢いがステージ上で放たれるその瞬間も、観逃さないように!

 

FFS
フランツ・フェルディナンドのアレックス・カプラノス(ヴォーカル/ギター)、ニック・マッカーシー(ギター)、ボブ・ハーディ(ベース)、ポール・トムソン(ドラムス)と、スパークスのラッセル・メイル(ヴォーカル)、ロン・メイル(キーボード)によるコラボ・バンド。かねがねスパークスのファンであることを公言してきたフランツのラヴコールにより、2007年頃から交流を深める。2013年、互いに出演した〈コーチェラ〉をきっかけ にユニットを結成。今年に入って4月にシングルを3枚連続で発表し、〈サマソニ〉など大型フェスを含むワールド・ツアーのアナウンスも話題を集めるなか、このたびファースト・アルバム『FFS』(Domino/HOSTESS)をリリースしたばかり。

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