2015年12月20日
〈TOWER RECORDS presents T-Palette Records感謝祭2015〉
@東京・新宿BLAZE

タワーレコードのアイドル専門レーベル、T-Palette Recordsの所属アーティストが一堂に会する年末恒例イヴェント〈T-Palette感謝祭2015 ~今年新しく出来た youthsource records箱レコォズの面々も出るよ、もちろん Tパレアームレスリング大会も開催! 年末大大感謝祭!!~〉が、12月20日に東京・新宿BLAZEで開催された。

今年で4年目となった〈Tパレ感謝祭〉は、新レーベルのyouthsource records、箱レコォズのグループも参加し、さらに内容がヴォリュームアップ。そして、昨年話題を振り撒いた〈タワーアイドル王座決定戦 ~アームレスリング対決〉が今回も行われ、波乱と緊張感溢れる戦いが繰り広げられた。

イヴェントの進行役は、プロ・インタヴューアーの吉田豪とタワーレコード代表取締役社長・嶺脇育夫が担当。ライヴは箱レコォズの3組からスタートした。トップバッターは、今年10月にシングル“無敵ガール”を発表した4人組、エレクトリックリボンだ。ericaのヴォーカルを中心に、ガヤ担当のpippiがDJも兼任。グループ名に通じるエレクトロニックでキラキラしたサウンドで、賑やかなパフォーマンスを見せ、イヴェントの始まりを楽しい雰囲気で盛り上げた。

エレクトリックリボン

 

Hauptharmonie

 

12月にEP『GOLDENBAUM ep.』をリリースした4人組、Hauptharmonie(ハウプトハルモニー)は、軽快なギター・ポップやジャジーなナンバー、サックスの効いたスカ・チューンなどを歌唱。全員ベレー帽を被り、他のアイドル・グループとはひと味違う楽曲、演劇テイストなパフォーマンスで観客を楽しませた。

じゅじゅ

 

じゅじゅは、8月に箱レコォズ第1弾としてシングル“零”を発表した、〈呪い〉がコンセプトの2人組。黒の衣装の、しらいねうの2人は、ダークかつヘヴィーなサウンドで観客のテンションを上げていく。ゴシックさもあり、グッとくるメロディーもあるという、独特なムードを全開にしていた。

ここで、〈アームレスリング対決〉の本戦出場をかけた、箱レコォズとyouthsource recordsの予選大会が行われる。予選決勝はDevil ANTHEM.SATSUKI.上月せれなPeach sugar snowあいなに勝利)と、Hauptharmonie・寺田珠乃(エレクトリックリボン・chiaki、じゅじゅ・しらいに勝利)の対決となり、剣道3段のHauptharmonie・寺田が勝利を収めた。

Hauptharmonie・寺田珠乃とDevil ANTHEM.・SATSUKI.の対決 

 

ここからは、youthsource recordsの3組が出演。まずは、昨年12月に結成&今年8月にシングル“Devil ANTHEM. ~キミのハートを征服中~”を発表した5人組、Devil ANTHEM.が登場した。平均年齢13.2歳の彼女たちは、赤いデヴィル・カチューシャに白い衣装で、攻め度の高いエレクトロニック・ダンス・チューンを、可愛らしいヴォーカルと勢いのあるダンスでパフォーマンスしていく。メンバーの歌とサウンドのギャップで、観客の熱量をさらに上げていた。

 Devil ANTHEM.

 

 上月せれな

 

上月せれなは、年間200本以上のライヴを行うソロ・アイドル。今年7月にシングル『最強メロディー2/同じ空の下で』、12月に“VISION.”を発表した彼女は、勢いたっぷりのポップ・チューンを披露する。自身のキーワードである〈最強〉やハンドクラップを観客に求めたり、元気いっぱいにステージを駆け回ったりと、ハッピーな空間を作り出すライヴ巧者ぶりを存分にアピールした。

Peach sugar snow

 

山梨発のウィスパー・ヴォイス・アイドル、Peach sugar snow。今年5月から、小学6年生で12歳のあいなによるソロ・ユニットとして新たなスタートを切り、8月にシングル“仮初の涙”を発表。メロディアスなシンセ・ポップ・チューンを、繊細なウィスパー・ヴォイスで歌い、楽曲の世界観を表現するダンスで魅せていく。彼女の作り出す透明度の高い空間に、観客もグッと引き込まれていった。

続いては、MCの2人に、アイドル・オタとして有名なlyrical schoolayakaが参加し、〈Tパレ感謝祭〉の名物であるこの日しか観られないコラボ・ステージがスタートした。まずはNegiccoMeguアイドルネッサンス石野理子がお揃いのセーラー服でさよならポニーテール“夏の魔法”を披露したほか、アップアップガールズ(仮)佐保明梨新井愛瞳、lyrical schoolのayakaとamiは、スマイレージ“夢見るフィフティーン”を熱唱。さらに、アプガの関根梓と、キャラメル☆リボン吉仲葵&上野天音POPシグサワ アオ、アイドルネッサンスの新井乃亜が、松本伊代“センチメンタル・ジャーニー”をキュートに歌唱した。さらに、アイドルネッサンスにアプガの森咲樹が加わり、全員白いセーラー服で、アイドルネッサンスの“17才”をパフォーマンスしていたりも。

 

POP

 

ここからは、T-Paletteのグループ勢によるステージが始まる。POPは元BiSカミヤサキを中心とした5人組。カラフルな衣装を着た彼女たちは、“who am I?”“Alarm”と勢い全開で飛ばしていく。“pretty pretty good”ではBiS“nerve”の振りを織り交ぜて観客をヒートアップさせていた。さらに先日リリースしたシングル“Happy Lucky Kirakira Lucky”では、ポップさとエナジーたっぷりなパフォーマンスで会場全体をアツく盛り上げていたのも印象的だ。

amihime

 

amihimeは、LinQ姫崎愛未のソロ・ユニット。2.5次元アイドル、ボーカロイド・アイドル・プロジェクトというコンセプトだ。黒いハットに紫をベースにしたフリフリの衣装で、“アイイロ NEW WORLD”など、キュートかつラヴリーな楽曲を歌唱。トーク・コーナーでは、プロジェクトがスタートして3年経ってもリリースがないこと、前の衣装がボロボロになり今回衣装を自作したことを本人が告白。来年こそはCDリリースしたいと嶺脇社長に嘆願していた。

キャラメル☆リボン

 

キャラメル☆リボンは、大阪出身の3人組。白のトップスにチェックのスカートとカジュアルな衣装で、“スタートリボン”からメロディーの際立つポップなナンバーを披露していく。歌唱力に定評のある3人の歌は、さらに成長している。爽やかで明るいステージングを観せながら、MCでは完全に陽気な浪速っ子になるところも微笑ましい。最後はドラマティックな曲展開を見せるニュー・シングル“Triple Candy”で、綺麗なハーモニーを聴かせていた。

アイドルネッサンス・石野理子

 

アイドルネッサンス・南端まいな

 

昨年の〈Tパレ感謝祭〉で、Tパレへの所属がサプライズ発表されたアイドルネッサンス。10月に6人編成となった後にファースト・ワンマン・ライヴを大成功させ、3か月連続で音源リリースをこなした現在人気急上昇中のグループだ。“17才”から元気なパフォーマンスで観せつつ、“Music Lovers”ではクールな雰囲気を出したりと、メンバーのポテンシャルと可能性を感じさせるステージを披露する。観客の盛り上がりもかなり高い。そしてラストは、リリース直前(12月22日にリリース)のメロディアスなミッド・チューン“Funny Bunny”を、ハモりもダンスもばっちりキメて見せた。

 アイドルネッサンス

 

さて、いよいよ注目度たっぷりの〈タワーアイドル王座決定戦 ~アームレスリング対決~ -本戦-〉が開催! トーナメント方式で勝ち進んでいく真剣勝負だけに、前年度王者のアプガ・森咲樹を筆頭に、選手の表情はガチモードだ。観客も格闘技のビッグマッチを観るかのようなドキドキ感に包まれている。今回は日本アームレスリング連盟会長の遠藤光男も立会人として登場した。

1回戦の勝者は、キャラメル☆リボン・深田聖奈(対戦者:バニラビーンズリサ)、Negicco・Nao☆(対戦者:アイドルネッサンス・南端まいな)、POP・カミヤサキ(対戦者:amihime)、アプガ・森咲樹(対戦者:リリスク・ami)、POP・ユメノユア(対戦者:敗戦後に大号泣したアプガ・佐保明梨)、リリスク・ayaka(対戦者:キャラメル☆リボン・上野天音)、Negicco・Kaede(対戦者:アイドルネッサンス・新井乃亜)。

 

バニラビーンズ・リサとキャラメル☆リボン・深田聖奈

 

 anihimeとPOP・カミヤサキ

 

2回戦の勝者は、Negicco・Nao☆(対戦者:キャラメル☆リボン・深田聖奈)、アプガ・森咲樹(対戦者:POP・カミヤサキ)、リリスク・ayaka(対戦者:POP・ユメノユア)、予選シードで入ったHauptharmonie・寺田珠乃(対戦者:Negicco・Kaede)。

準決勝は、Negicco・Nao☆とアプガ・森咲樹という昨年の決勝戦の再戦となった。親友対決に、昨年と同様に試合前から涙を流す森と、対照的にほのぼのとした笑顔を浮かべるNao☆ががっちりとグリップ。試合は森が勝利を収め、Nao☆とハグ。そして、リリスク・ayakaとHauptharmonie・寺田珠乃の対戦は、Hauptharmonie・寺田の勝利。波乱の予感に、会場内も騒然となった。

Hauptharmonie・寺田珠乃

 

そして、アプガ・森咲樹とHauptharmonie・寺田珠乃の決勝戦。試合前のコメントでHauptharmonie・寺田は「勝ったら、Hauptharmonieを広げていきたいので、もう1曲やらせてください!」と語り、アプガ・森は「今年はすごい敵が現れたと思います。でも、私は勝ちます!」と声を上げた。

会場内の視線は、2人の両拳に集中。観客が緊張感で静まり返ると、会場内にレフェリーの〈レディー・ゴー!〉の声が響く。試合は、森の剛腕が火を吹いて寺田をねじ伏せ、見事大会2連覇を達成した。

アップアップガールズ(仮)・森咲樹

 

大きな〈森ティ〉コールのなか、森は「皆さんありがとうございます。正直、今年負けて〈なんだ森、ちょろいな〉と思われるのがすごく嫌で、1年間鍛えてきて良かったです。でも今日、確信しました。日本中のアイドル、世界中のアイドル、誰だろうが私にかかってこい! ありがとうございました!!」とシャウトし、オーディエンスの熱い拍手を浴びる。そして彼女は、優勝賞品である〈叙々苑〉の焼肉券の目録を高々と掲げたのだった。

バニラビーンズ・レナ 

 

バニラビーンズ・リサ

 

涙と笑いに包まれた〈アームレスリング対決〉の興奮も冷めやらぬなか、イヴェントはライヴへ戻る。スペシャル・ゲストとして登場したのは、今年Tパレを卒業したバニラビーンズ。レナとリサは、“Night on the Earth”から息の合った歌とポージングでキラキラとした北欧の風を届ける。“チョコミントフレーバータイム”“マスカット・スロープ・ラブ”など、軽快なポップ・チューンを歌った後は、“有頂天ガール”で観客と一緒にタオル回し。トーク・コーナーでは、「(Tパレに)帰ってきました」「落ち着く」と語る2人。Tパレ設立時からの所属グループだっただけに、レコード会社が変わっても古巣への思い、〈Tパレ感謝祭〉に対する思いはひときわ高い。レナは「来年も〈Tパレ感謝祭〉に出られるようにがんばります」と笑顔で語った。

 

 lyrical school

 

イヴェントもいよいよ終盤戦に突入。ガールズ・ラップ・シーンで注目を集めるlyrical schoolの登場だ。今回のライヴが、元ライムベリーhimeが加入し新体制となって初のステージとなった。“I.D.O.L.R.A.P”から始まり、“brand new day”“プチャヘンザ!”など、6本のマイクは勢いたっぷりに飛ばしていく。「これからこの6人と皆さんで、楽しい物語を作っていきたいです」というMCを挿んで、ミッド・チューン“おいでよ”、ファンキーな“ワンダーグラウンド”を立て続けに披露。さらにリリスクの楽しいパーティーは続き、アップ・チューンの“FRESH!!!”を歌唱。最後はリリスク結成時から歌ってきた“photograph”を、新体制の思いを込めた歌詞を交えてエモーショナルに熱唱した。

 

アップアップガールズ(仮)

 

そして、今年も〈アームレスリング対決〉に全精力を注いだハイヴォルテージ軍団、アップアップガールズ(仮)のステージだ。昨年の〈Tパレ感謝祭〉で初披露した“Beautiful Dreamer”からスタート。〈アームレスリング対決〉で優勝を果たした森のテンションはアゲアゲだ。反対に初戦敗退で落ち込んだ佐保は「さんざん泣いてきたので、ライヴではむちゃくちゃアガっていきたいと思います!」と声を上げた。メロディアスなダンス・チューン“ランランラン”、エモさ全開の“青春の涙”を披露。そしてバキバキのEDMチューン“Shout!!!!!!!”で、観客のテンションをガンガンにブチ上げていく。さらにクレイジー度マックスなスカ“アッパーレー”を歌唱し、会場の熱量を沸点へと到達させた。トーク・コーナーでは、〈アームレスリング対決〉で初戦敗退した佐保とリリスクのayakaが楽屋で対戦し、なんとayakaが勝ってしまったことで、さらに佐保のダメージを深くして泣かせてしまったというエピソードが語られた。推しの佐保を傷つけたショックに、今度はMC中のayakaが泣くという泣きの連鎖も勃発。だが、佐保がayakaをハグし、会場中が大拍手に包まれハッピーエンドとなった。

 Negicco・Kaede

 

Negicco・ Nao☆

 

Negicco・Megu

 

そして、イヴェントのトリを飾るのはNegicco。今年はチャートでの大躍進、数々のTV出演、Perfume主催の〈三人祭〉に出演したりと、さらなる飛躍を遂げた彼女たち。“トリプル! WONDERLAND”からキャッチーなポップ・ワールドを展開する。“自由に”では、〈森ティおめでとう!〉〈みねわきいくお〉と本当に自由なコール&レスポンスを行ったりも。また“圧倒的なスタイル”では、キャラメル☆リボンにPOP、アイドルネッサンス、アプガのメンバーも加わり、ステージ上も観客も一体となってのライン・ダンスが繰り広げられた。

“さよならMusic”“光のシュプール”と楽しさ全開のステージを見せ、“ときめきのヘッドライナー”では会場一体となってのタオル回し。最後の“ねぇバーディア”でさらに観客を盛り上げ、ハッピーなNegiワールドに会場を染め上げた。またトーク・コーナーでは、Nao☆がタイムリー感のないギャグ連発で暴走する場面も。

イヴェントのエンディングでは、全出演者によるサイン・ボール投げが行われ、続いて広末涼子“大スキ!”をグループ入り乱れて大合唱。こうして、7時間半の長時間に渡るステージが幕を閉じた。新たなグループも加わってフレッシュさを増し、また〈アームレスリング対決〉も昨年を上回る盛り上がりを見せた今年の〈Tパレ感謝祭〉。全体を通じて楽しさたっぷりのイヴェントだった。