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赤い公園

泣きメロで突っ走る無敵のパフォーマンス

tricotに続いて〈CHAOS STAGE〉に爽やかな風を吹き込んでくれたのは、東京・立川出身の4人組、赤い公園だ。全国16か所を巡るワンマン・ツアーを完遂したばかりとあってバンドの演奏は脂が乗りまくっており、〈DEAD POPいけますかー!〉という佐藤千明(ヴォーカル)の合図で始まった1曲目“喧嘩”からキラー・チューンを連発。〈DPF〉初出演なのが信じられないほど堂に入ったパフォーマンスだ。

そのまま間髪入れずに“絶対的な関係”。ぐわんぐわん唸るギターとホイッスルを合図に、歌川菜穂(ドラムス)がキメのフレーズを叩き出すと、佐藤が〈YEAH!!!〉と絶叫しつつも安定感のあるハイトーン・ヴォーカルで会場を赤い公園ワールドに引き込んでいく。ハイライトはやはり、彼女たちを一躍スターダムへ押し上げた“NOW ON AIR”で、津野米咲(ギター)にしか作れない泣きメロと昂揚感溢れるサビで突っ走る様は、もう〈無敵〉としか言いようがない。

〈まだまだいけるー!?〉と佐藤が呼び掛けると、彼女たちがハードコア/ポスト・ロック畑でも通用することを痛感させる“14”や人気曲“KOIKI”も飛び出し、チリチリと鳴るグリッチ・ノイズから美しいストリングスへと変化していくポップス“黄色い花”ではオーディエンスと一緒に手を左右に振りながら〈ラララ〉の大合唱。これには佐藤もご満悦で〈センキュー!〉と感謝を述べると、〈地元の歌を唄って帰りたいと思います!〉と告げて“西東京”での大団円へ――今回のラインナップにあって異色に感じられたtricotや赤い公園が、こうやって超満員の観客をたちまち魅了していく光景は、いち音楽ファンとしても胸が熱くなった。 *上野功平

SET LIST
1. 喧嘩
2. 絶対的な関係
3. NOW ON AIR
4. 14
5. KOIKI
6. 黄色い花
7. 西東京