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SHANK

ファスト・チューン連発で、〈CHAOS STAGE〉のラストを演出

昨年に引き続き〈CHAOS STAGE〉の肝となる場面に登場し、今回はラスト・アクトの大役を任された長崎発のメロディック・パンク・バンド、SHANK。適度に涼しくて、雨上がりのほのかな香りが心地良い夕暮れ時、〈CAVE STAGE〉のHEY-SMITHを観終えた観客が続々と集まりはじめる前に、彼らは本番が待ちきれない様子でリハをしていた。〈大事な場所をくれてありがとう、SiM! 楽しんで帰るわ!〉と庵原将平(ヴォーカル/ベース)が演奏前に宣誓し、1曲目“Set the fire”に勢い良く突入!

庵原の〈雨があがって良かったね〉という紹介から嬉しそうに掻き鳴らされる“Weather is Beautiful”を、薄明るい雲の下で聴くのはとても美しい体験だった。そんなグッとくる瞬間の一方、庵原が松崎兵太(ギター)に対して〈キン●マ1個でも子供ができることを彼が証明しました。おめでとう!〉と唐突にイジる、お決まりの下ネタで笑わせることも忘れない(松崎は昨年のツアー中に娘が誕生)。

〈あと、SiMと俺らだけやで。バカになって帰ろうぜ!〉という庵原の突き上げで、“620”“Hope”“Lamp”“BASIC”と池本雄季(ドラムス)もますますハードに疾走していく。このファスト・チューン連発はもはや圧巻で、言うまでもなくキッズを燃えたぎらせ、激しいモッシュ・ゾーンが次から次へと生まれることとなった。

〈聴こえてるかな? 聴こえてるよな、SiM。本当にありがとう! みんなさ、売れたら身体を鍛えたり、格闘技したりするようになるけど、SiMはずっとダラッとしてていいよな! 僕はHEY-SMITHの猪狩くんと違って口が達者じゃないので、曲をたくさんやります〉と照れくさそうに笑う庵原。その言葉通り、持ち時間の30分に全12曲を惜しみなくつぎ込んでいく。あたりが暗くなった後半は、彼らの吐き出すパンク・ロックが灯のように明るく輝いていた。 *田山雄士

SET LIST
1. Set the fire
2. Cigar Stone
3. Take Me Back
4. Weather is Beautiful
5. 620
6. Hope
7. Lamp
8. BASIC
9. Love and Hate
10. Long for the Blue moon
11. Restart
12. submarine