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発想の源を探りたい! H ZETTRIOの3人は、どんな音楽を聴いているの!?

 普段のリスニング傾向が謎な3人に、最近のお気に入りを挙げてもらった。HZETTRIOの楽曲に影響が反映されているかどうかは抜きにしても、非常におもしろいラインナップとなっている。

 まず、メンバー全員でハマったのが、オーストラリアはメルボルン発のフューチャー・ソウル・バンド、ハイエイタス・カイヨーテ。「〈これ変なんだよ、聴いてくれよ〉って僕が持っていって、ライヴ前に楽屋で聴いたら、みんな〈何だこれ?〉ってなって、その日のライヴはいつもと何かが違いました。〈こんなに素直に反応するもんなんだ〉って思いましたね(笑)」(H ZETT NIRE)。

ハイエイタス・カイヨーテの2015年作『Choose Your Weapon』収録曲“Breathing Underwater”
 

 「ヒップホップからジャズに向かっていくものが好み」というH ZETT Mが選んだのは、Q・ティップの長らくお蔵入りになっていた幻のセカンド・アルバムと、サー・ラー・クリエイティヴ・パートナーズシャフィーク・フセインに見初められ、最近ではケイトラナダのアルバムにも参加しているシンガー・ソングライター/ドラマーのアンダーソン・パックの最新作。「アンダーソン・パックはドラムを叩きながら歌うけど、やっぱりリズムに対する意識がすごい」(H ZETT M)。

Q・ティップ2001年録音作『Kamaal The Abstract』収録曲“Even If It Is So”
アンダーソン・パックの2016年作『Malibu』収録曲“Come Down”
 

 また、H ZETT KOUが挙げたのは、やや意外なところで2014年に発表されたエイフェックス・ツインの復活作と、こちらは納得なチック・コリア・トリオの作品。「『Syro』は生で叩いてるわけじゃないけど、叩いてる以上に温度を感じて熱くなりました。ライザップの曲を聴くと(身体を)鍛えたくなるのと一緒で、このアルバムを聴いてると掃除がしたくなります(笑)。チック・コリア・トリオはブライアン・ブレイドのドラムに衝撃を受けましたね」(H ZETT KOU)。

エイフェックス・ツインの2014年作『Syro』収録曲“Minipops 67”
チック・コリア・トリオの2013年作『Trilogy』トレイラー
 

 そして、「Q・ティップもエイフェックスも好きなんだけど」と言いつつH ZETT NIREがピックしたのは、自身のサウンドを〈ダーク・ソウル〉と呼ぶトランぺッターのセオ・クロッカーと、カナダのシンガー・ソングライター/ピアニストのエリザベス・シェパードという、近年のジャズの流れにおいても注目のアーティスト。「エリザベス・シェパードはどのアルバムにも7拍子の曲が1曲は入っていて、それがすごく好きですね」(H ZETT NIRE)。 

セオ・クロッカーの2016年作『Escape Velocity』のトレイラー
エリザベス・シェパード・トリオの2008年ライヴ映像