EVENT & LIVE REPORT

KONCOS、ラッキーオールドサン、South Penguin、ニカホヨシオが熱演! 〈Mikiki Pit〉をレポ&ジョルジオ・トゥマ招き第2回が開催決定

KONCOS、ラッキーオールドサン、South Penguin、ニカホヨシオが熱演! 〈Mikiki Pit〉をレポ&ジョルジオ・トゥマ招き第2回が開催決定

Mikiki主催のショウケース企画〈Mikiki Pit〉が、去る11月21日に開催されました。出演したKONCOSラッキーオールドサンSouth Penguinニカホヨシオが素晴らしいライヴを披露し、会場の東京・恵比寿baticaは大盛況。当日のレポートを、Mikiki DJs a.k.a. Mikiki編集部の凸凹インディー・コンビの田中亮太&小熊俊哉による対談形式でお届けします。ちなみに、来年2月には〈Mikiki Pit Vol.2〉の開催が決定。詳しくは記事の後半で!

 

小熊「〈Mikiki Pit〉が終わって、もう1か月も経っちゃった」

田中「いったい僕たちは何をしていたんだだろうね」

小熊「僕は心の穴に落ちていたよ、〈Pit〉だけに」

田中「馬鹿言ってんじゃないよ。まあ、〈Mikiki Pit〉が終わってから1か月の間に2つもライヴ・イヴェント(〈ミキキの平日〉と〈Mikiki忘年会2016〉)を開催したからね」

小熊「そのなかでも、〈Mikiki Pit〉はショウケース的な楽しさがあったと思うな。特に、最初に出たニカホヨシオとSouth Penguinは初めてライヴを観る人が多かったと思うけど、終演後にお客さんや関係者の皆さんから〈こんなにライヴが良いとは思わなかった!〉と口を揃えて言ってもらえてね」

田中「KONCOSのメンバーが、〈今日は初めて対バンする知らないバンドばっかりだったけど、どれも良くてメチャクチャ楽しかった〉と言ってくれたのも最高に嬉しかったよ。彼らのように、年がら年中ライヴをやっているバンドにも刺激を与えるラインナップを揃えられたのは、ちょっと鼻が高いね」

小熊「KONCOSはこの日も、〈Mikiki Pit〉出演後に深夜のイヴェントにハシゴしていたもんね。そういう現場感のある人たちに評価してもらえたなら、まずは大成功だったんじゃないかな。じゃあ、ここからは当日のライヴを振り返っていこうか」

 

ニカホヨシオ

田中「この日がバンド・セットでの3回目のライヴだったそうだけど、各メンバーにプレイヤーとして腕の立つ面々を揃えていたこともあって、堂々たるパフォーマンスだったな」

小熊〈Mikiki忘年会〉の居酒屋トークで、TAMTAM高橋アフィさんが話していた〈今日的なサイケデリック感覚〉はニカホさんにも該当すると思うんだよね。サイケなフィーリングのなかで、メロウネスが際立つ感じなんかモロにそうだし」

田中「そうそう。どこかスペイシーでラウンジ―なサイケ感なんだよね。個人的にも今年の後半はステレオラブ再評価のモードだったんだけど、マイルド・ハイ・クラブジミ・テナーと並んで、その後押しの1つとなったのがニカホさんの存在だったよ」

小熊「すげーわかる!」

小熊「あとはニカホさんの出演前に、僕ら2人がMikiki DJsとしてフロアのBGMを選曲していたんだけど、ヘップトーンズの“I’ve Got The Handle”をかけたらノリノリで口ずさんでいたのが最高だったなー。ニカホさんがラジオに出演したときにかけていた曲なんだよね。MCでもその話をしていたけど」

田中「あれはDJ冥利に尽きるレスポンスだったよね(笑)」

 

South Penguin 

田中「2番手のSouth Penguinも見事な演奏だったね。幽玄なギター・サウンド以上に、タメの効いたミッドテンポのリズム・アンサンブルが彼らのサウンドの肝だと思うんだけど、腰にくるグルーヴをしっかりとモノにしていて、ユラユラ気持ち良く踊らせてもらったよ。お酒も進んじゃったな~」

小熊「今年の夏に〈フジロック〉で観たときよりも、演奏が遥かにタイトになっていたからビックリしちゃった。ネオアコ・バンドにありがちな線の細さを払拭して、一皮剥けたと思ったね。ライヴで披露された新曲もイイ感じだったけど、物凄いスピードで進化しているのが伝わってきたよ」

田中「その逞しくなったアンサンブルが、アカツカくんの歌声をより艶やかに響かせていたよね。エジプシャン・ヒップホップのフロントマンによるオルダスRHの“Sensuality”や、SCUMの元フロントマン、トーマス・コーエンの『Bloom Forever』など、長年くすぶり続けているUKインディーをこれからおもしろくしていきそうなブルーアイド・ソウル味のある新鋭たちのサウンドとのシンクロニシティ―も感じたよ」

小熊「そこまで感じ取ったの? エスパーみたいじゃん」

小熊「あと、アカツカくんは〈Mikiki Pit〉開催に向けて僕らがやった対談記事がツボだったみたいで、MCでもその話をわざわざしてくれたんだけど、お客さんに上手く伝わらなかったみたいでシーンとなっていたね。でも僕は、彼のそういうところが大好き。これからバンドが売れて立派になっても、あのボンクラ精神は失わないでほしいものだな」

田中「彼はきっと変わらないでいてくれるはずさ」

 

ラッキーオールドサン

田中「小熊くんは、ラッキーオールドサンのライヴを観るのは初めてだったんだよね?」

小熊「そうなんだよ、恥ずかしながらね。でも……感動しちゃったな。新曲をいろいろプレイしていたみたいだね」

田中「確か3曲ほどやっていたんじゃないかな。本当に名曲揃いだったし、これまで以上にデュオ編成で映えるものになっていると感じたよ。日々の生活に息づいている煌めきの瞬間を切り取った言葉――それらがナナさんの可憐な歌声と篠原さんのシンプルなギター・ストロークに乗って、甘いメロディーと一緒に運ばれてくるともうね……。いま思い出しただけでもウルッときちゃった」

小熊「〈感動した〉〈泣けた〉と聞いたら白ける読者もいるだろうけど、あの場に居合わせた人たちはみんな頷いてくれるんじゃないかな。2人が紡ぐ剥き出しの歌が、妙に沁みたんだよね。噂のニューカマーたちが度肝を抜いたあと、ラッキーオールドサンの出番前にはタイラダイスケさんのグル―ヴィーなDJでbaticaが沸いていた。そこで最初のピークタイムを迎えたあと、あの朴訥とした愛らしい歌声が……シンプルであるが故に心の奥まで響いてね。熱を冷ますというよりも、心を鎮めるといった感じのフィーリング。本当にグッときたよ」

DJタイラダイスケ

 

KONCOS

小熊「今回のトリを飾ったのは、田中亮太イチ押しのKONCOS。いやー、フロアに飛び込むほど前のめりで熱いパフォーマンスだったね!」

田中「KONCOSがフロアへ降りるのは、いまの彼らにとって定番の一つでもあるんだよ。イヴェントによってはドラム・セットまで(フロアに)下ろして、人気曲“月待つ島まで”をお客さんと一緒に演奏&大合唱することもあるくらいさ」

小熊「それはさぞかしパワフルな光景だろうね。今回のラインナップでは世代的にも一回り上で、安定感のあるステージ巧者……でも、そんなふうには形容したくない。とにかくエネルギッシュだし、演奏している本人たちが誰よりも楽しそうだったね。今回は残念ながら、大合唱とはならなかったけど」

田中「それは、〈初めまして〉のお客さんが多い環境だったという証拠でもあるし、だからこそ今回出てもらえて良かったんじゃないかな。パンクの熱量と勢い、ソウルのビートとグルーヴ感、ヒップホップのパーティー・ヴァイヴ……それらが大きなうねりとなってフロアを巻き込んでいくライヴは、多くの人に衝撃を与えたように思うよ」

小熊「ポップと笑顔が弾けまくったステージは、本当に最高だったな」

田中「個人的には、願わくば〈Mikiki Pit〉をこれからも継続して、1年後でも2年後でも、今度はKONCOSにとって最高にホームな環境でまた出てもらいたいという想いもある。いろんなパズルがハマったときの彼らのライヴは本当に感動的だからさ」

 

次回の〈Mikiki Pit〉

小熊「そしてなんと、〈Mikiki Pit Vol.2〉が決定! 来年の2月23日(木)に、恵比寿のbaticaで開催されるよ。しかも第2回にして、海外のミュージシャンが参加することが決まったんだ」

田中「イタリアのシンガー・ソングライター、ジョルジオ・トゥマだよね。トゥマさんは小熊くんのプッシュで出演が決まったわけだけど」

小熊「そう、初の全国ツアーの一環で出演してもらえることになったんだ。これまでに4枚のアルバムを発表しているんだけど、彼が手掛けた作品はどれもファンタスティックなメロディーが詰まっていて、とにかく最高なんだよ! ジャズやフォークニューウェイヴから映画音楽にまで精通していて、アレンジャーとしても超一流だけど、最大の魅力はやっぱりグッド・メロディーにあると思う」

田中「へー」

小熊「あとはニカホさんのくだりにも繋がってくるけど、実はトゥマさんもステレオラブから大きな影響を受けていて、(中心人物の)レティシア・サディエールと何度もコラボしているんだ。今年リリースされたトゥマさんの最新作『This Life Denied Me Your Love』に入っている曲で、そのレティシアが歌った“Release From The Centre Of Your Heart”が絶品だから、とりあえず聴いてみてよ」

田中「なにこれ、最高じゃん。柔らかなグルーヴ感を伴ったダウンテンポの上で、ストリングスや管楽器が鳥のさえずりのように美しく響き合い、さらにレティシアの透明感溢れる歌声流麗に舞っていて……。ソフト・ロックチェンバー・ポップ好きはもちろん、アヴァランチーズの最新作『Wildflower』が好きだった人もたまらないであろう、極上のメロウ・サウンドだね」

小熊「そうなんだよ! ちなみに今回は、サポート・ギタリストとのデュオ編成によるアコースティック・セットでの出演になるんだけど、前回のラッキーオールドサンのときみたいに、心洗われるステージになると思うよ」

田中「そういえば、この間の〈Mikiki忘年会〉でもトゥマさんの曲をDJで流していたよね?」

小熊「ああ、“Music Express”ね。2008年のアルバム『My Vocalese Fun Fair 』に収録された、これまた名曲中の名曲だよ。トゥマさんがギターと歌声だけでミラクルを起こせることを、この曲が証明してくれるんじゃないかな」

田中「次回も観ておくべきラインナップを揃えたイヴェントになるのは間違いなしだね。他の出演者も年明け以降に随時発表していく予定なので、読者のみんなも楽しみに待っていてほしいな!」

小熊「早く発表したくて、ウズウズしているよ(笑)。次回も絶対に間違いないと思うから、スケジュールは空けておいてね!」

ポール・マッカートニー