Vol.4 光る個性と盤石のパフォーマンスで圧倒する4組


 

 

FACT

SATANIC CARNIVAL〉の出演バンドには、今年で結成orデビュー○周年という節目の人たちが多い気がする……。FACTもそのなかのひとつで、今年結成15周年。日本では早くからスクリーモモダン・ヘヴィネスを鳴らし、USヨーロッパ進出も果たした彼らだが、日本でのブレイク・ポイントはメンバー全員が不気味な能面スタイルで登場した2009年作『FACT』か。ブラスト・ビートにもグッとくる鋭角なサウンドながら、メロディアスな歌唱のせいかどこかしなやかな印象を残すのがおもしろい。さらにイギリス人のアダム(ヴォーカル/ギター)が加入し、トリプル・ギター編成になって初のアルバム『Witness』で見せた多彩なアレンジやスケール感溢れるサウンドは、FACTの可能性をいっそう広げている。特にラガ・テイストのヴォーカルが乗る“ape”の曲展開のカッコ良さったら! そんなバンドの旨味を凝縮させた、6人が繰り出すプレイの妙を実感できるステージ……チェックしないでどうする!

【参考動画】FACTの2014年作『Witness』収録曲“ape”

 

 

 

SiM

ヘッドライナーの皆さんを脅かす存在、その最右翼と言えばSiMでしょう! 昨年発表した最新作『PANDORA』のヒットにも表れていた通り、ここ数年に渡って注がれている彼らへの注目度は並じゃない。しかし、この熱視線がいまだけに留まるはずはないことは、アルバムの素晴らしさはもちろん、そのライヴ・パフォーマンスが証明している。バンドのアイデンティティーである〈レゲエ・パンク〉をベースに、近作ではドラムンベースジャングルブロステップなどをエレクトロニクスなしで再現し、楽曲に採り入れているのもユニーク。“Amy”“Blah Blah Blah”をはじめ、そういったエッセンスを含んだナンバーはライヴでもとんでもない爆発力を生んでいる。一方、“Same Sky”などのバラードも聴きどころで、それまでの狂騒から一転してフロアを一気に〈聴く〉モードにさせてしまう、そのコントラストがたまらない。まだまだ言いたいことは山ほどあるけど、とりあえず体験あるのみ!

【参考動画】SiMの2013年作『PANDORA』収録曲“Blah Blah Blah”

 

 

 

EGG BRAIN

“SEVENTEEN”(2010年)などではUSのシュガーカルト(古くてすみません)あたりを彷彿とさせていて、なんて爽やかなバンドでしょう!と思っていたが、やはりそこからみるみる成長を遂げた彼ら。もちろん西海岸テイストの陽性なメロディック・サウンドを鳴らしつつも、2012年の最新アルバム『Push』では突っ走るだけでなくミディアムでじっくり聴かせる曲を強化させたり、センセーショナルなPVも話題となった昨年のシングル“VITAMIN”のように攻めのナンバーを投じてみたり、最新シングル“MUZIC”(ライヴ音源もたっぷり収録!)は4つ打ちダンサブルな楽曲にだったりと、さまざまな顔を見せている。こうしてサウンドのヴァリエーションが幅広くなれば、もちろんライヴの楽しさも増してくるというもの。ますます面白味を増しているEGG BRAINは、いま観ておくべきでしょう。

【参考動画】EGG BRAINの2014年のシングル“MUZIC”

 

 

 

04 Limited Sazabys

名古屋を拠点に活動する〈フォーリミ〉こと04 Limited Sazabys。びっくりするほどフェミニンハイトーン・ヴォーカルにまず耳を奪われるが、その歌声にマッチしたとことんポップでキャッチーなメロディック・サウンドに心が躍りまくる! これまでにリリースしたミニ・アルバムは3枚を数え、ドライヴィンなナンバーも勢いに身を任せるのみならず、一曲一曲の旋律がよく練られてているのが窺える。最新作『monolith』では、疾走感たっぷりのメロコアなタイトル・チューンからクルクルとサウンドの表情を変えるが、通じてメロディーの際立ちっぷりが揺るぎない。日本を代表するラウド勢が揃う〈SATANIC CARNIVAL〉だが、まだまだ進化中の頼もしい若手がフレッシュに弾けて現場を盛り上げてもらいたい!

【参考動画】04 Limited Sazabysの2014年のミニ・アルバム『monolith』収録曲“monolith”

 

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