『「音楽」とか「美術」とかのカテゴライズなんて、本当はどうでもいい』という表現が核と成り、この本の全てを表している。音楽という聴覚的表現と、美術という視覚的表現が織り合わさることは単なる足し算ではなく相乗効果的に表現の幅を広げていき、それは即ちアートとしての可能性や奥行きを格段にあげているのかもしれない。前半に大友良英自身の活動を通して得た芸術観と、後半に6人の最先端のアーティストとの対話を収録し、音楽・美術の姿が浮き彫りにする。アーティストとはかくも様々な事を考えている、それをじっくり読み解きたい。