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「アマデウスLIVE」 日本上陸! 世界中で“ぜったい観たいコンサート”として注目の、名画と迫力の生演奏

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  • 2017.08.30
「アマデウスLIVE」 日本上陸! 世界中で“ぜったい観たいコンサート”として注目の、名画と迫力の生演奏

世界中で“ぜったい観たいコンサート”として注目の『アマデウスLIVE』

 1984年に製作され、日本では85年に公開、アカデミー賞作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞、美術賞、衣装デザイン賞、メイクアップ賞、録音賞の8部門を受賞した不朽の名作映画『アマデウス』。エイベックス・クラシックス・インターナショナルの企画制作による『アマデウスLIVE』は、“ステージ上の大スクリーンでその『アマデウス』が上映され、全編に流れるモーツァルトの代表作を、オーケストラと合唱団が場面に合わせて迫真の生演奏をする、圧倒的な感動体験のコンサート”。

 僕自身も未体験なので、その感動を想像でしかお伝えすることができないけれども、これはきっと心に残り続ける体験となるに違いない、というのも、もともとの映画そのものの素晴らしさから憶測されるだけで、そう確信できる根拠がたくさんあるからだ。

 当時僕は中学生だったので、わりと鮮明に記憶しているのだけれど、公開時に映画『アマデウス』が集めた話題と評価は絶大なものだった。監督は『カッコーの巣の上で』で鬼気迫る人間の狂気を描きアカデミー監督賞を受賞したミロシュ・フォアマン。(つまり『アマデウス』は彼に2度目の監督賞をもたらしたことになる。) 後になってそのような知識のもとに見返してみるならば、この『アマデウス』においても、奥深い心理描写の巧みさや人間の弱さ、強さ、誇り、誠実さ、そして恐れと嫉妬、あらゆる感情に潜む狂乱があることに気づく。フェリーニの映画を思い出させるように猥雑な躍動をする人々、本来ならドイツ語中心だったはずの歴史物語を、カジュアルな英語の台詞や英訳されたオペラの歌詞が換骨奪胎し、幻想的な虚構の舞台装置としての役割をさらに推し進めて、漫画的な世界観すらかいま見せる。史実に完全に即しているわけではない反面、‘モーツァルト’という西洋音楽史に起きた奇跡的な事件を熟知していればこそに可能だった映画『アマデウス』は、数々の受賞からも当然わかるように、完成度が極めて高い映画なのだ。

 加えて映画『アマデウス』では、音楽がストーリーに果たす役割がとても大きい。単にモーツァルトの物語のバック・グラウンド・ミュージックなのではなく、登場人物にも匹敵するような重要さを与えられている。残念ながら、僕は映画の基になった舞台版の『アマデウス』を観たことがないので、脚本と音楽が映画ならではの密接なつながりのおかげで『アマデウス』という作品の一部になっているのか、原作の勝利なのかはわからないけれど、少なくとも、映画の上映と同時に生のオーケストラの演奏によって音楽がつけられるのは、かなり緻密な設計が必要となるだろうと思われるので、本当に興味深いし、だからこそこの『アマデウスLIVE』は、上映と音楽、というマリアージュを超えて、一つの舞台作品として見ごたえのあるものになっているに違いない。この映画の見どころの一つとして知られている、数々のオペラの上演シーンも、ひときわ説得力をもって迫ってくることだろう。辻博之指揮によるオーケストラ・アンサンブル金沢による演奏は、気鋭の奏者たちによる新鮮な息吹を名画に付与してくれるだろう。

 名作『アマデウス』だからこそ、新しい形の上演によって、若い頃に見た思い出を懐かしむ人も、刷新する人もいるだろうし、新たな名画との出会いを経験できる人もたくさんいるだろう。上映は休憩も含めて180分、ということなので、おそらく84年公開時のヴァージョンが見られるのだろう。もしこの上演でもっと深く『アマデウス』の世界に踏み入ってみたい方には、ぜひ、後になって発表された180分の「ディレクターズ・カット」ヴァージョンもご覧いただきたい。このあまりにも有名な脚本によって歴史的な悪役にされてしまったとも言えなくもないサリエリの苦悩と人間味が、いっそう鮮明に描かれているのだから。

 それにしてもモーツァルト!! こうして映画の構成要素としてその音楽が使われているだけも、さらにその音楽の強さに打ちのめされますね。ほんとうに天才です。

 


天賦の才能への究極の嫉妬!神から選ばれし天才モーツァルトへの 究極の嫉妬と復讐のレクイエム

映画『アマデウス』

[STORY]モーツァルトと同時代に活躍し宮廷楽師として高い地位を獲得した作曲家サリエリ。そして、サリエリの前に突如現れた若き天才作曲家モーツァルト。サリエリはモーツァルトの天賦の才能にいち早く気づき、高い憧れとともに、恐怖と嫉妬心を感じ、ついには神が自分ではなくモーツァルトを選んだことに対して狂信的な復讐心を抱きます。

1984年アメリカ映画
主演:F・マーリー・エイブラハム/トム・ハルス/エリザベス・ベリッジ
監督:ミロス・フォアマン 原作・脚本:ピーター・シェーファー
音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
音楽監督・編曲:サー・ネヴィル・マリナー
1985年アカデミー賞8部門受賞![作品賞・ 監督賞・ 主演男優賞・ 脚色賞・ 美術賞・ 衣裳デザイン賞・メイクアップ賞・録音賞]

 


INFORMATION

アマデウスLIVE ムービー・オン・クラシック
○11/3(金・祝) 13:30開演
会場:石川県立音楽堂コンサートホール
○11/4(土)18:00開演/5(日)14:00開演
会場:Bunkamuraオーチャードホール
○11/11(土)17:00開演/12(日)14:00開演
会場:兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール

指揮:辻 博之
出演:オーケストラ・アンサンブル金沢、アマデウス特別合唱団