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H ZETTRIOが魅せた、自由奔放な〈楽しさ〉! ジャンルを超えるエンターテインメント繰り広げたワンマンをレポ

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  • 2017.10.25
H ZETTRIOが魅せた、自由奔放な〈楽しさ〉! ジャンルを超えるエンターテインメント繰り広げたワンマンをレポ

H ZETTRIOが2017年の集大成ともいうべきワンマンライヴ〈H ZETTRIO IN TOKYO ~秋の大感謝祭~〉を10月14日(土)に開催した。今年は全30公演以上の全国ツアーを行い、ライヴハウス、大型フェスと様々な場所で演奏をしてきた彼らだが、感謝祭の会場に選んだのは東京・昭和女子大学人見記念講堂。2000人クラスのホール公演だ。チケットは即ソールドアウト。会場はスタート前から入り口で配られたサイリウムが光り、メンバーと同じく鼻をペイントしたファン達の姿もそこかしこに見え、この日のライヴへの期待もうかがえる。

1曲目は“夢と希望のパレード”。イヴェント・タイトルにふさわしい多幸感あふれる楽曲で〈大感謝祭〉は幕を開けた。つづく“Next Step”で、すでに会場の温度もぐっと上がったように感じる。短いMCで感謝を述べると、“HAVE A NICE DAY!”“Happy Saturday Night”“Wow Wow Wow”と早くも畳み掛けるかのようにアッパーなチューンを並べていった。

 

続くセクションでは〈今年を振り返ろう〉とオーディエンスに呼び掛け、2017年に配信リリースされた“NEWS”“Fiesta”“Zディスカバリー”“SEVEN”“MESHI KUTTTE YEAH!”“DERBY〜栄光の道しるべ〜”をメドレーで披露。なかでも“Fiesta”の祝祭感、“Zディスカバリー”と“MESHI KUTTE YEAH!”でのバンドとオーディエンスとの一体感には目を見張った。このセクションではパフォーマンス集団の〈ポイラボ〉がステージに登場、光を使ったパフォーマンスやジャグリングなどでメンバーと共に楽曲の世界観を表現し、観客もサイリウムを振ってステージと一体になって盛り上がる。

〈H ZETTRIOにはこんな一面もあるんです〉というMCを挿んで披露された“Memory”“Den-en”“YOU”のしっとりとしたバラードセクションを抜けて、ついに本編最終ブロック。ここで、〈みんな立ちましょうか〉という言葉で、ホールは観客も全員立ち上がりサイリウムを振るというピアノ・トリオのライヴとは思えない光景に。リオ五輪閉会式のプレゼンテーション映像でも使用された彼らの代表曲と言うべき“Neo Japanesque”でのコール&レスポンスや、ショルダー・キーボードに持ち替えステージを駆け回って弾きまくる、H ZETT Mのギター・ヒーローばりのパフォーマンスにライヴはさらにヒートアップしていく。激しい即興のなかにメロディーの切なさも混じる“Beautiful Flight”で本編は幕を閉じた。

 

もちろんアンコールは鳴り止まず、幕が上がるとサプライズ・ゲストの〈玉響(たまゆら)ストリングス〉が登場。“Wonderful Flight”のメロディーをしっとりと奏で、そこにフォーマルな衣装に着替えたトリオが合流すると、普段のトリオだけでは体感できないような、目の前に壮大な風景が広がるようなスケールの大きさが表現され、彼らの楽曲のポテンシャルの高さにも驚かされる。

ここで11月8日(水)にリリースを控えるクリスマス・アルバム『H ZETTRIOのChristmas Songs』のお知らせをMCで挟み、そのなかから“光のヒンメリ、輝く街”を披露。ストレートなクリスマス・ソングながら、端々に仕掛けられたハラハラさせられるようなリズムのトリックなどH ZETTRIOらしいひねくれた部分も垣間見える。一足先に新譜も聴かせてもらったが、誰もが頭に描けるような定番のクリスマス・スタンダードを、〈ここまで彼ららしいサウンドへと調理できるのか〉と、バンドとしての成熟をひしひしと感じられる作品になっていた。ラストは“Dancing in the mood”でメンバー、客席ともに完全燃焼してフィニッシュ。

 

ライヴを通して感じたのは、エンターテイメントとしての完成度の高さだ。ピアノ、キーボード、ショルダー・キーボード、鍵盤ハーモニカなどさまざまな〈鍵盤〉を縦横無尽に弾きまくるH ZETT M、コミュニケーションをとりながらビートを刻み観客を煽っていくH ZETT KOU(ドラムス)、そしてしっかりとボトムを支えるH ZETT NIRE(ベース)という三人だけでなく、客席まで一体となったステージングには目を見張った。文字通り7拍子の“SEVEN”など少し難解に思える曲でも決して客席を置き去りにはせず、子どもでも口ずさめるようなキャッチーなメロディーとポップなコード進行を駆使して仕上げてしまう。インスト・バンド、ジャズ・バンド、ロック・バンドというタグ付けをすり抜けるように、ただただ楽しい音楽を差しだし、観客と一緒になって遊んでいるようにすら見えた。

〈何を求めてライヴに行くか〉は人によって、お目当てのアーティストによって違うと思う。そのなかで、ファンが望む〈あの曲〉のメロディーラインをしっかり聴かせる部分もあれば、ライヴならではの予定調和でない即興パートも観せてくれるH ZETTRIOのライヴは、ロック的ともジャズ的とも括れない唯一無二のエンターテイメントだ。

11月8日(水)に発表される新作『H ZETTRIOのChristmas Songs』についてのインタヴュー記事もリリースに合わせて公開予定!

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