イタリアから二人、そして、〈主人公〉のピアニストはNYC生まれのビル・オコンネル、もちろん、ユニットとして機能しているが、ラテン畑で活躍してきたオコンネルのピアノに光を宛てた作品として、ピアノ・ファンに知っておいて欲しいアルバムだ。マイルスの①で口を開ける本作は、ピアノ・トリオが気持ちよく響くジャズ喫茶の空間を思い起こさせてくれる。マイルス2曲にコール・ポーターの③、お馴染みの⑥⑦とジャズ・ファンにはとっつき易い選曲だ。2015年のイタリアの録音だが現代のNYにも聴こえてくる。オコンネルのピアノはあくまでも音が清涼で〈正しくモーダル〉。今、貴重なピアノだ。