COLUMN

PFMがBillboard Liveで来日公演を開催、イタリアの伝説的プログレッシヴ・ロック・バンド約半世紀の活動をプレイバック

PFMがBillboard Liveで来日公演を開催、イタリアの伝説的プログレッシヴ・ロック・バンド約半世紀の活動をプレイバック

イタリアの伝説的なプログレッシヴ・ロック・バンド、PFMの来日公演がBillboard Liveで開催される。PFMの来日公演は40周年記念コンサートをおこなった2014年以来約4年ぶり。久々のニュー・アルバム『Emotional Tattoos』を2017年9月にリリースしたばかりのPFMはいまどんなモードなのか? ファンにとっては観逃せないライヴだ。

PFMことプレミアータ・フォルネリア・マルコーニは70年に結成。イエスやディープ・パープルといったイギリスのバンドのイタリア公演でのサポート・アクトによって国内での評判を高めていった彼らの転機は、エマーソン・レイク&パーマー(ELP)の前座を務めたことだった。

ELPのグレッグ・レイクによって見初められたPFMは、ELPがアイランド傘下で立ち上げたレーベル、マンティコアとサイン。マンティコアでの最初のアルバムで通算3作目となる『Photos Of Ghost(邦題:幻の映像)』は、ヨーロッパ全土、イギリス、アメリカ、そしてここ日本でもリリースされ、世界的な評価を得た。PFMは国際的に成功したイタリアのロック/ポップ・アクトとしてはほぼ初めての例であり、それも現在まで彼らがリスペクトされ続けている理由でもある。

73年作『Photos Of Ghost』収録曲“Celebration”のライヴ映像
 

イタリア語詞を歌っていたこれまでとは打って変わって、全編英語詞となっていたことも『Photos Of Ghost』が英語圏のマーケットに受け入れられる要因となったようだ。実際、同作はUSビルボード・チャートでも180位を記録。その幻想的な英語詞は初期キング・クリムゾンの作詞家、ピート・シンフィールドが提供していたことも知られている(シンフィールドとのコラボレーションは次作の『L'isola Di Niente/The World Became the World(邦題:甦る世界)』でも続いた)。

74年作『L'isola Di Niente』収録曲“La Luna Nuova”のライヴ映像
 

クラシック音楽に影響を受けたシンフォニックな曲展開、当時最先端の楽器だったミニムーグなどシンセサイザーの大々的な導入、テクニカルな演奏、コンセプチュアルな作品……PFMは黎明期から爛熟期においてプログレッシヴ・ロックのサウンドを確立した立役者だった。

バンコことバンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソやアレアなど、英国のみならずイタリア国内でもプログレ・バンドが群雄割拠するなか、PFMが抜きん出ていたのはイタリアのルーツ音楽のフレイヴァーを取り込んでいたことだった。おそらくそれは、当時バンドの中心的なメンバーだったマウロ・パガーニ(ヴァイオリンやフルートなど、イタリア語詞の作詞もおこなっていた)に因るところが大きいはず。

その証左に、76年にバンドを去ってからパガーニは地中海周辺地域の民族音楽を探究しはじめ、78年にリリースした初のソロ・アルバム『Mauro Pagani(邦題:地中海の伝説)』として結実させている。

マウロ・パガーニの78年作『Mauro Pagani』収録曲“Europa Minor”
 

閑話休題。PFMのはじめての来日公演は75年。イタリア国外でのさらなる成功を目論み、英語の歌唱を得意とする新たなヴォーカリスト(ベルナルド・ランゼッティ)を迎えて制作した『Chocolate Kings』のリリースを目前に控えての来日だった。ファンからは〈伝説〉として語り継がれているこの公演は、速いテンポで展開されるアグレッシヴなパフォーマンスだったという。

70年代後半から80年代にかけ、PFMはメンバーを再編し続ける。さらに、バンドはイタリア語詞を歌うスタイルへと回帰。AORやフュージョンに寄せたサウンドで、よりコマーシャルな作品を国内市場でリリースしていったが、87年には活動休止してしまう。

しかし、10年後の97年には再結成し復活作『Ulisse』を発表。70年代から在籍するメンバー3人を中心に制作された同作は往年のプログレッシヴ・ロック・ファンから好評を受け、商業的な成功も得た。U2や80年代のピーター・ガブリエルの作品を思い起こさせるような重厚なイタリアン・ロック・アルバムだ。

97年作『Ulisse』収録曲“Ulisse”
 

以降のPFMはプログレ系のフェスへの出演などで新たなファンを獲得しつつ、断続的な作品リリースを続けている。現在のバンドは、オリジナル・メンバーのフランツ・ディ・チョッチョ(ヴォーカル、ドラムス)と74年からのメンバーであるパトリック・ジヴァス(ベース)を擁する7人編成。2014年の公演では全盛期を振り返る『幻の映像』と『甦る世界』の再現演奏を披露したというが、新作『Emotional Tattoos』を携えた今回の公演では現在のPFMのモードが提示されるのでは? もちろん、代表曲である“Celebration”などのクラシック・ソングの演奏も期待できるだろう。

ちなみに、今回は1stステージと2ndステージでは異なるセットリストでの演奏を予定しているとか! ファンならばぜひ2ステージ続けてPFMの幻想世界に浸りたい!!

“Celebration”を演奏している2002年の来日公演の映像
 
2017年作『Emotional Tattoos』収録曲“The Lesson”
 

Live Information

2018年1月9日(火)、10日(水) Billboard Live TOKYO
1stステージ 開場 17:30/開演 19:00
2ndステージ 開場 20:45/開演 21:30
サービスエリア 9,400円/カジュアルエリア 7,900円
★詳細はこちら

2018年1月11日(木) Billboard Live OSAKA
1stステージ 開場 17:30/開演 18:30
2ndステージ 開場 20:30/開演 21:30
サービスエリア 9,500円/カジュアルエリア 8,500円
★詳細はこちら

関連アーティスト
PFM