INTERVIEW

JABBA DA FOOTBALL CLUBにハッとしな! スルー厳禁のラッパー4人組、軽やかにポップをめざす

JABBA DA FOOTBALL CLUB『FUCKING GOOD MILK SHAKE』

JABBA DA FOOTBALL CLUBにハッとしな! スルー厳禁のラッパー4人組、軽やかにポップをめざす

ヒップホップ・グループのJABBA DA FOOTBALL CLUBが、3月14日(水)にEP『FUCKING GOOD MILK SHAKE』を発表した。JABBA DA FOOTBALL CLUBは、2014年に結成されたNOLOV、ROVIN、ASHTRAY、BAOBAB MCによる4人組。Tempalayやドミコなどバンド・シーンとも親交がある彼らは、これまでアルバム作品として『QUEST』(2014年)、『OFF THE WALL』(2017年)を発表し、高い評価を得てきた。さらに〈Spotify2017年注目の新人〉にも選出されるなど、若手でも一目置かれる存在だ。そして待望となる新作が、この『FUCKING GOOD MILK SHAKE』である。

彼らはこのEPから心機一転、これまでのJABBA DA HUTT FOOTBALL CLUBからJABBA DA FOOTBALL CLUBに改名。音楽的にもTempalayの“革命前夜”をサンプリングするなど新たな可能性に挑戦している。〈現行ロック・バンドの楽曲をサンプリングしてラップ・ソングに仕立て上げる〉という動向が、かつて日本国内の若手音楽シーンで起こったことがあっただろうか。他の収録曲も、ポップなサウンドに4様のラップが絡んでいく“MONKEYS”、打って変わってクールなビートが印象的な“THINK RICH, LOOK GOOD”、タイトルと歌詞のテーマの掛け合わせがおもしろい“MESSI COOL”、メロウでチルなM4“MIDNIGHT GOOD GOOD MOOD”など魅力的なものばかり。

それにしても彼らの振る舞いは、YouTubeやサブスクリプションによってジャンルが溶けた音楽の海を自由に泳ぎ回っているようだ。越境して吸収し、創造する若き才能に語ってもらった。

JABBA DA FOOTBALL CLUB FUCKING GOOD MILK SHAKE OMAKE CLUB(2018)

どれを聴いてもらっても〈良いっしょ!〉と言える

――『FUCKING GOOD MILK SHAKE』はJABBA DA FOOTBALL CLUB(以下、JABBA)にとって2018年一発目のリリースですが、制作に当たっての経緯を教えて下さい。

NOLOV「これまではOMAKE CLUBのレーベル・オーナーでもあるTOKYO HEALTH CLUBのTSUBAMEさんから、(メンバーの)BAOBAB MC以外のビートメイカーの曲でラップするのを止められていました。それは、自分達のラップのスタイルがないとビートメイカーの格好良さに乗っかる形になっちゃうから、というJABBAの今後を考えてくれてのことでした。

TSUBAMEさんに監修で入ってもらったセカンド・アルバム『OFF THE WALL』を制作したあと、〈そろそろBAOBAB MC以外とやってみてもいいよ〉とOKをもらえたので、今回は自分達と親交が深く、ずっとやりたかった人たちにお願いしました。結果としていままでのJABBAにない面を出せたし、毎日、何気なく聴くことができる楽曲を収めた作品になったと思います」

NOLOV
 

――これまでとは違い、提供してもらったビートにラップを乗せるのはどんな心境ですか?

BAOBAB MC「プレイヤーとして没入できました。自分が作った曲だと全体のことを考えてバランスをとってしまって。最終的には、今後自分で曲を作ってもラップにも没入できるくらい、制作中は自分を解き放つことができたなと思っています」

――それぞれ、思い入れの深い楽曲は?

NOLOV「“THINK RICH, LOOK GOOD”はEPで最初に完成した曲で、この曲で制作のペースをつかんだと思います。どこまで突き詰めるのか、どこまで任せるのかという感覚がわかったというか。トラックを提供してくれたSam is Ohmくんと、ラップで参加してくれたKick a Showとの制作は本当に楽しい時間でした」

ASHTRAY「個人的にはTSUBAMEさんとの“MESSI COOL”が印象に残っています。ずっとTSUBAMEさんとご一緒したかったので。しかも、ビートはサンプリングではなく弾き。BAOBAB MCからは出ない音で格好良かった。自分のやりたかったことがひとつ実現した曲です」

ROVIN「印象に残っているといえば、僕は“MONKEYS”。4人のMCで作りあげることをめざしたセカンドを経ての集大成というか。この曲を作るに当たっては、それまでに取り組んできたことが自然に出来ていました。〈俺らも結構できるじゃん〉と。僕はこういうポップなビートが好きなので、気に入ってます」

NOLOV「どれを聴いてもらっても〈良いっしょ!」〉と言えるものになってます」

 

これがスルーされたら俺怒りたいもん

――『FUCKING GOOD MILK SHAKE』というタイトルの由来も気になりました。

NOLOV「“MIDNIGHT GOOD GOOD MOOD”で客演してくれたKEMMYに付けてもらいました。彼はラッパーじゃなく僕の友達なんですが、すごくフラットな奴で、いつも相談するんです。今回、僕がEPのタイトルで悩んでて。名前も変わるし、再出発みたいな意味も込めたいなとか考えすぎてて。ちょうどKEMMYと一緒にいたので、〈何かいい言葉ない?〉って聞いたら〈ん〜、すごい前にいいなって思って、メモって冷蔵庫に貼ってる言葉があるよ! FUCKING GOOD MILK SHAKE! 超おいしいミルクシェイクって意味なんだけど〉って。それで拍子抜けしてすごい笑っちゃって、考えすぎてた自分がバカらしくなり、これでいこうと。6月からの東名阪ワンマン・ツアーのタイトル〈Oh? Then, Where is Cheese?〉も、彼が〈今日、公園で聴いた親子の会話!〉と教えてくれて、その一言に笑っちゃって決まりました」

――ラッパーじゃない人を客演に招くというのはどういう意図が?

NOLOV「とあるフェスに、KEMMYが〈遊びに行きたい〉と言ってきたので〈遊びくるなら、試しにラップしてみてよ〉とそそのかしたんすけど。本当に書いてきて、出来上がったらすごくかっこよくて! 誰にでも挑戦する切符があって、結果として格好良ければOKってところがラップのおもしろさだと思います。その日から、KEMMYがライヴに遊びに来るときは必ずステージにあげています。ライヴ経験が少ないので、毎回緊張しまくってておもしろいので。今後もできるだけ大舞台でやらせていきたいです(笑)」

――意外性というところでいうと“月にタッチ”で、Tempalayの“革命前夜”をサンプリングされていますね。

ROVIN「あるフェスで、Tempalayのヴォーカル、(小原)綾斗と話していたら〈“革命前夜”でラップしてや!〉と言ってくれて」

ROVIN
 

NOLOV「〈“革命前夜”という曲自体を大好きでめちゃくちゃ聴いていたんですよ。再構築したほうがおもしろい曲になると思って、TOSHIKI HAYASHI(%C)に無茶を言ってサンプリングしてもらい、”月にタッチ”を作りました。(この曲は)革新的だと思うんです。現行の国内のロック・バンドの曲をサンプリングしてるヒップホップ・グループはなかなかいないので。これがスルーされたら俺怒りたいもん。でも、何よりこのタイミングで、TempalayとTOSHIKI HAYASHI(%C)と僕たちで、この曲を作ることができて本当に良かった。すごく意味のあることだと思います」

――その他レコーディング時のエピソードなどあれば。

ROVIN「“MONKEYS”でunderslowjamsのSUIさんがレコーディング・エンジニアとして参加してくれたのは大きかったです」

BAOBAB MC「そこからラップのディレクションまでしてくれて」

NOLOV「SUIさんが4人のラップの特性を見抜いてくれて。だから“MONKEYS”のラップはすごく良く録れたし、出来上がりを聴いて〈本当に変わった!〉という驚きがありました」

BAOBAB MC「意識することによって、他の曲にも応用が利くしね。自分の声の特性をこうやって出していこう、みたいなフィードバックにもなって」

――“LUCKY PUPIL RADIO”でラジオDJ役を担当している、マシューまさるバロンさんとは?

NOLOV「彼は〈R-Festa Next〉というイヴェントで知り合ったラジオDJで、僕らのことをすごく気に入ってくれたんですよ。そこで〈オレ、何でもやるから言って〉とその場のノリで話していたので、本当にお願いしたんです(笑)。快く引き受けてくれましたね。パッと来て、吹き込んで、15分で帰っていくという。格好良かったです」

BAOBAB MC「〈俺、言ったことは守るから〉って言ってました」

BAOBAB MC
 

――収録曲はすでにライヴでも披露されていますか?

ASHTRAY「改名や新作情報の解禁前日に開催した情報漏洩イヴェント〈スノーデンナイト#01〉で全曲披露しました。“THINK RICH, LOOK GOOD”なんかはいままでにない雰囲気なので、騒ぐだけじゃなくて揺れながら曲に耳を傾けるといった聴き方をしてもらえたと思います」

NOLOV「(共演したTempalayの)綾斗も〈”月にタッチ”感動したわ!〉と言ってくれて嬉しかったです」

 

音楽にアクセスしやすくなったことは本当に大きい

――ジャンル横断的な活動には難しさを感じることはないですか?

BAOBAB MC「セカンド以降、あまり気にしてないです」

NOLOV「サブスクが一般的になってから、僕らも含めて皆の音楽の聴き方が変わったと思います。音楽にアクセスしやすくなったことは本当に大きくて。だからあまり気にならないのかなーと思います」

――皆さんは前々からKICK THE CAN CREW、RIP SLYMEへのリスペクトを表明されていますが、それはいまも変わりませんか?

NOLOV「増していく一方です。僕達がより音楽を理解できるようになってきて〈この人たちがどれだけ難しいことをやってきたのか〉ということに気付いていきました」

BAOBAB MC「楽曲的な良さを担保しつつ、皆を喜ばせるということも常にキープしている」

NOLOV「普通の生活をしているなかで共感できるテーマが多い。〈引っ越し〉(KICK THE CAN CREW“movingman”)とか。それでも、カッコイイ曲になってて。絶妙なバランスだなーって思います」

――今後、どういう活動をしてきたいですか?

NOLOVダンス・ミュージックを作っている人とやってみたいですね。tofubeatsさんとか☆Taku Takahashiさんとか。あと、アンセムを作りたいです。イントロを聴いた時点でお客さんがアガる曲を」

――では2018年はこの新作を皮切りに、ずばりどのような立ち位置を狙いますか?

NOLOV「まずは知ってもらうことです。僕らの名前が全国に広がって、知ってもらって、それで好きになってもらえたら最高です」

2014年作『QUEST』収録曲“STAY GOLD, LIFE GOES ON”
 

Live Information

〈Mikiki Pit Vol. 3〉
日時/会場:2018年4月21日(土) 東京・下北沢Basement Bar ※フロアライヴ
出演:KONCOS/Bullsxxt/JABBA DA FOOTBALL CLUB/Ms. Machine
開場/開演:11:00/11:30(予定)
終演:14:10頃(予定)
料金:前売り1,000円  ※80名限定
>>チケットのご予約は ticket@toos.co.jp まで

〈東名阪ワンマン ”Oh? Then, Where is Cheese” Tour〉 
≪名古屋≫
2018年6月24日(日)CLUB ROCK'N'ROLL 
開場/開演 17:30/18:00  
≪大阪≫
2018年7月1日(日)CONPASS
開場/開演 17:30/18:00  
≪東京≫
2018年7月6日(金)SHIBUYA WWW
開場/開演 19:00/19:30
前売り:3,000円(+1drink)  オールスタンディング:
※CD封入先行:3月14日(水)12:00〜3月25日(日)23:59
※オフィシャル先行:3月27日(火)12:00〜4月8日(日)23:59
※各プレイガイド先行:4月10日(火)

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