INTERVIEW

鈴木愛理『Do me a favor』 15年のキャリアを誇る最強の新人シンガーが待望のソロ・デビューを語る!

鈴木愛理『Do me a favor』 15年のキャリアを誇る最強の新人シンガーが待望のソロ・デビューを語る!

いままでに培った経験を総動員し、最強の未完成ガールが最強のソロ・デビューを飾る! キュートでボーノな愛理には、やっぱり歌って踊る姿がよく似合うよ!!

他の道を考えたときに

 Welcome back, AIRI!──とはいっても、℃-uteが解散した昨年6月以降も活動を休止していたわけではなく、それこそ専属モデルを務める「Ray」などをパラパラッとめくれば、ビューティフルな彼女にいつでも会うことはできたので、つまりその、言いたいのは〈歌って踊る鈴木愛理〉にまた会うことができるってこと!

 「℃-uteの解散が決まって、ひとりになって何を軸に活動していくかを考えていくなかで、もう歌はやらないだろうって思っていたんです。℃-uteではやりきった感がありましたし、℃-uteでやってきたことを超えるようなことができなければ……やはり、歌うこと、踊ることが大好きだからこそ、そこで終わらせてもいいかなって。ただ、何か他の道を考えたときに、どれも何か違う感じがして。周りからは〈鈴木に歌ってほしい〉っていう声もありましたし、ファンのみんなもブログのコメントなどを通じて〈歌ってほしい〉って背中を押してくれて」。

 その期待に応えるべく意を決し、始動の運びとなったソロ・プロジェクト。彼女自身がスタッフにプレゼンしたという青写真をもとに、℃-uteのラスト・コンサートからほどなくして楽曲集めが始まったという。

 「まず、アイドルをずっとやってきた私だからできることをやりたいという思いがありました。℃-uteでの経験は絶対に無駄にしちゃいけないから、そこで培った〈歌って踊る〉というスタイルと、Buono!で培ったバンド・スタイルのふたつを軸にして、そのなかに新しいものを加えていこうと思ったんですね。ずっとやりたいと思っていたけどグループでは難しくて溜め込んでいたことだとか、そういうアイデアもスタッフ・チームには伝えていったんですけど、打ち合わせはいつも、コーヒー片手にとかご飯を食べながらぐらいの雰囲気で忌憚なく意見を出し合って。ソロを始めるにあたって、自分自身のポテンシャルを信じることは大事ですけど、私だけがそうあってもうまくいかない……でも、私がやりたいと思っていることを実現させてくれるチームの雰囲気がめちゃくちゃ明るいので、この〈イイ空気〉が活力にもなっています」。

 昨年大晦日に行われたハロー!プロジェクトのカウントダウン・ライヴにサプライズ出演し、会場を沸かせた彼女。年が明けての3月後半からは、ダンス・セットとバンド・セットに分けた26公演に及ぶステージを東京~大阪で開催と、まずはライヴを通じて元気な姿を見せてきた。そして、このたび満を持して届けられるのがファースト・アルバム『Do me a favor』だ。

鈴木愛理 Do me a favor zetima(2018)

 オープニングを飾るのは、パワフルなダンス・チューンの“DISTANCE”。サウンドのアレンジはモダンだが、メロディーラインはちょっぴり懐かしい──それこそ、彼女がアイドルを夢見はじめたあの頃のニュアンスがそこにはある。

 「“Be Your Love”という曲もそうなんですけど、いまのトレンドに乗っていくというより、あの頃の気持ちが戻ってくるような期待を込めて、自分にとって懐かしさのある曲を歌いたいと思ったんです」。

 

極めたいことがいっぱいある

 その“DISTANCE”と、続く“未完成ガール”は、初心に立ち帰り、しかし過去の自分を凌ぐパフォーマンスを見せんと再出発を果たした彼女の意気込みが歌われている楽曲。パワー・ポップ・ナンバー“未完成ガール”の作/編曲は、彼女にとって馴染みのある井上慎二郎で、今作では他に歌謡曲調の“いいんじゃない”も書き下ろしている。

 「脱力して歌いました(笑)。自分でもこういう歌声を聴いたことがなかったので、この曲に関しては自分のこだわりをあまり入れずに、ベスト・テイクを決めるのもあえて他のスタッフに委ねたんです。この曲、最初は失恋ソングの歌詞がついていたんですけど、それだと本当に歌謡曲になっちゃうので、急遽差し替えて、疲れた大人をほんのり癒す感じの曲になって。もう〈おつかれさま!〉って缶コーヒーを差し出したくなる感じですよね(笑)」。

 ダンス・サイドでは、ApinkやTWICEの作品にも名を連ねる韓国のヒットメイカー、DUBLEKICK、Glory Faceによって編まれた“Good Night”、Jazzin'Park作のR&Bバラード“Moment”、古参のハロプロ・ファンならその名を聞いて一段と高まるAKIRA作のバックビート・ナンバー“perfect timing”、そのAKIRAとUTAの共作によるシンフォニックな“start again”、バンド・サイドでは、それぞれのバンドが演奏でもバックアップした、赤い公園の津野米咲による“光の方へ”、SCANDALのRINA×MAMI作“STORY”、大学の先輩でもある山崎あおい作のハートフルな“君の好きな人”、さらには“恋愛♥ライダー”などBuono!作品を数多く手掛けてきたAKIRASTARによるガーリーなロックンロール“Candy Box”、そして愛理自身で作詞に挑んだ美麗なバラード“#DMAF”など、トータル1時間強のアルバムはどこを取ってもハイライト。よくぞここまで躊躇のないトライ、遠慮のない音作りをしたもんだと思わず唸らずにはいられない出来映えだ。

 「それでもまだまだ極めたいことがいっぱいあるし、すぐにでも次の作品にとりかかりたいなって気持ちです(笑)。今回のアルバムを制作するにあたっては、技量や知識をもっとつけていかなきゃと思って、自宅で簡単なレコーディングができるようにマイクを買ったりとか、インターフェイスを介して編集してみたりして〈ここ、ハモリを入れたいです〉とか〈ここはラジオ・ヴォイスにしてみたい〉ってデータのやりとりもしました。そのへんから制作に対する意識もいままでとは違うんですけど、スタジオに入っている時間も長かったですし、ミックスやトラックダウンにも初めて立ち会って。出来上がりの最後まで見届けてきた作品なので、早く皆さんに聴いてほしいですね」。

 リリースのおよそ1か月後には、日本武道館での単独公演を開催。アルバムでのデビューということも加えて、やることなすことスケールが段違いというのも、パフォーマーとしての彼女の器が成せる業、ですね。 久保田泰平

 

次ページ鈴木愛理のこれまでのキャリアと『Do me a favor』をバックアップする多彩なクリエイターたち!