正統派ヴァイオリニストとして確固たる地位を築いてきたヤンセン、ここ数年で急速に知名度を高めたピアノの鬼才ドゥバルグ、古典から現代まで縦横無尽の活躍を見せる「クラリネットの魔術師」フレスト、そしてフレストと同じくBISレーベルの名盤が数多いチェロの重鎮テデーン。戦時中、収容所内での作曲という特殊事情のために珍しい楽器編成となった本作は、メシアンらしい宗教色の強さと、独奏~4重奏までのさまざまなアンサンブルを含む点が特徴であり、表現力に長け個性の際立つ4名が取り上げるに相応しい作品といえる。こうした記念碑的な作品に新たな名演が加わるのは実に喜ばしいことだ。