Local VisionsがCrystal Colaのアルバム『L8 NITE TV』をリリースした。
先日リリースされたばかりのTsudio Studio『Port Island』に続くレーベル第4弾として早くも発表された本作。このCrystal Cola、レーベル主宰者・捨てアカウントによれば国籍不詳とのこと。謎めいた作家だが、80~90年代のアニメや映画のイメージにあふれたInstagramから今様ヴェイパーな彼/彼女の趣味がうかがえる。
そんなCrystal Colaによる新作『L8 NITE TV』は、ニューエイジやフュージョン風のシンセサイザーの音色を中心に据えつつも、ビートはしっかりとダンサブル(8曲目の“1:30 AM「TOKYO BOY」 ”はディスコだ)。ヴェイパーウェイヴの意匠を借りたビート・ミュージックといった印象の楽曲が多く、ポップで親しみやすいがヘヴィーでトリッピー。聴きごたえのある作品となっている。
そのコンセプトは……
L8 NITE TVは、テレビで眠りについたときや、夜遅くに夢のように感じる時に目を覚ますときの気持ちを捉えようとするアルバムです。 Crystal Colaで今夜の機能プログラミングを楽しんでください。
どこか機械翻訳調の文章から文意を読み取ると、深夜、テレビを観ながらうたた寝をしてしまい、浅い眠りのなかで夢を見、目を覚ましたり眠ったりを繰り返す、あのふわふわとした感覚を表現しようとした、ということだろうか。
アートワークの素晴らしさが定評となっているLocal Visionsだが、今回『L8 NITE TV』のアートワークを手掛けるのはsebun。Twitterのプロフィールによれば、ローマの作家であるようだ。
一般化し、多様化し、拡散したヴェイパーウェイヴ。国内随一のヴェイパー愛好家として知られる捨てアカウントが主宰するLocal Visionsから、ここにきて初めて直接的にヴェイパーウェイヴらしい作品が届けられただけに、本作『L8 NITE TV』は必聴だろう。さらに、カセットテープのリリースも予定しているとのことで、そちらも絶対に手に入れたいところ。