卓抜したギター・プレイと温かな歌声で人気を博す盲目のシンガー・ソングライター、ラウル・ミドンが6年ぶりにBillboard Liveに登場。9月7日(金)にTOKYO、9月10日(月)にOSAKAで公演を行う。グラミーにノミネートされた最新作『Bad Ass And Blind』(2017年)を引っ提げての来日だ。

ラウル・ミドンは、アルゼンチン人の父親とアフロ・アメリカンの母親のもと、66年に米ニューメキシコ州で生まれた。出産時、未熟児であった彼は、病院で適切な措置がとられなかったため直後に盲目となるも、幼少期から音楽への才を発揮し、盲学校ではギターの弾き方を教わった。そして、マイアミ大学に入学するとジャズを専攻。卒業後はセッション・ミュージシャンとしてキャリアをスタートし、シャキーラやフリオ・イグレシアスら主にラテン系の音楽家の作品に貢献した。

その後NYに移住し、ハウスの重鎮ユニット、マスターズ・アット・ワークの片割れとしても知られるルイ・ヴェガのソロ作『Elements Of Life』(2003年)に参加。合わせてソロでの活動も始め、2005年に自身の名義での初作『State Of Mind』を、伝説的なプロデューサーであるアリフ・マーディンの助力を受け、完成させた。スティーヴィー・ワンダーやジェイソン・ムラーズら豪華ゲストを迎えた同作を経て、彼の名前は広く知れ渡ることになる。

『State Of Mind』収録曲、スティーヴィー・ワンダーをフィーチャーした“Expressions Of Love”
 

以降も、約3~4年おきでコンスタントにソロ作を発表。2008年には、視覚障がい者が使用するのに適した自宅兼スタジオを設立、2010年に平井堅&ロバータ・フラックと共に日本武道館に立つなど音楽家として活躍を続けている。

2017年にリリースした最新作『Bad Ass And Blind』は、洒脱でジャジーなアレンジとファンキーなリズム感覚が魅力。ポップで人懐っこいニュー・ソウル・サウンドが高い評価を受け、同年のグラミー賞、最優秀ジャズ・ヴォーカル・アルバムにもノミネートされた。ミドン自身にとっても、制作中から手応えのあった作品のようで、〈盲目で最高なヤツ〉を意味するタイトルは、彼の人生への肯定を反映したと語っている。

今回の公演は、現在の段階では、ミドン1人でのパフォーマンスを予定しているようだ。それゆえに、歌と技巧的なギター・プレイ、また十八番であるトランペットの声帯模写まで、彼の才をフルコースで味わえるだろう。Billboard Liveで、名人芸の数々に舌鼓を打とうではないか。

〈Tiny Desk Concert〉でのパフォーマンス映像

 


LIVE INFORMATION
ラウル・ミドン

2018年9月7日(金)Billboard Live TOKYO
1stステージ 開場17:30/開演19:00
2ndステージ 開場20:45/開演21:30
サービスエリア 8,900円/カジュアルエリア 7,900円
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2018年9月10日(月)Billboard Live OSAKA
1stステージ 開場17:30/開演18:30
2ndステージ 開場20:30/開演21:30
サービスエリア 8,900円/カジュアルエリア 7,900円
★詳細はこちら