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惠ちゃんに通じる歌心の道

 本文にもあるように多彩な歌い手にもインスパイアされながら、己の歌を磨いている山内惠介。ここでは彼の歌唱と相通じる部分が感じられそうな多方面の男性シンガーを考えてみましょう。まずは玉置浩二の人間味と包容力に満ちた歌心。彼のポジティヴな“田園”を取り上げると惠ちゃんの中性的な魅力も男らしい人情味に傾いてくるかのようでもあり。その中性的という部分でいえば、その道のパイオニアたる郷ひろみも、特に初期の音源は惠ちゃんに通じるかもしれません。さらに凛として伸びる高音の魅力は森山直太朗を思わせたり……と思ったらコンサートでも“さくら(独唱)”を披露していましたね。

 また、女性ヴォーカルの歌謡曲/J-PopをよくカヴァーしているAcid Black Cherryのyasuなど、いわゆるV系の流れを汲むヴォーカリストも案外通じそうですし、さらに色気を味で聴かせる部分は小林旭のような昭和の無国籍映画スターたちも連想できるところ。なお、小林旭がお特異のノヴェルティー・ソングということだと、福岡のアイドル・ばってん少女隊の“のびしろ行進曲”に同郷のよしみから惠ちゃんがゲスト参加し、エレキ歌謡テイストでメンバー個々の名前を歌い上げています。こういう親しみやすい側面ももっと聴いてみたいかも? *大原かおり