カセットテープって買ったことあります? 最近ごく一部の音楽ファンの間でカセットが流行ってると聞いてはいたものの、初めて音源の入ったカセットを買いました。

本作は、都内をメインに活動する男女2人組(+サポート・メンバー4人)によるカセットテープ+ZINE(DLコード入り)。〈ローファイ〉という言葉がピッタリな雰囲気の4曲入りで、いずれもセピア色に褪色した写真やノイズの走る映画のような、レコードともまた一味違うカセット特有の雰囲気をまとったポップ・ソング。こりゃメンバーは相当なギター・ポップ、インディー・ポップ好きだろうなと思いきや、ヴォーカルren matsumuraの発言によれば〈根底にあるのはミスチルとSMAP〉というから驚きだ。なかでも、自らがゾンビになってしまう(とだけ書くとチープすぎる……)“Zombies!”は特に名曲で、現代の日本なのに昔のアメリカのような、なのに懐かしい楽曲で、もし自分が映画を撮ったらエンディングに使いたいくらいだ。思えばカセットテープというメディア自体、一度は死んで蘇ったわけで、そういう意味では〈ゾンビ〉という本作のテーマはピッタリである。

付属のZINEには、もう一人のメンバーmina sakakibara(ヴォーカル、キーボード)によるやはりローファイな写真と、ren matsumuraによる散文を掲載。このテキストが相当なおもしろさなので、カセットを久しく買っていない方、買ったことがないという方も、これを機に入手してみてはいかがだろう。