TOKYO FMで毎週金曜の27~29時に放送中の番組「RADIO DRAGON-NEXT-」。モデルやブランド・ディレクター/デザイナーなどマルチに活躍し、音楽への造詣も深いことで知られる菅野結以がパーソナリティーを務める同番組は、〈すべての音楽の登竜門〉をコンセプトに2010年にスタート。以降リニューアルをしながらも独自の視点で主に国内のフレッシュな音楽を紹介し続けきた人気番組だ。

その番組内のコーナー〈Monthly Disc〉では、ひと月に1組のアーティストとそのニュー・リリースの作品をフィーチャー。4週(5週)にわたって、作品を軸としたアーティスト本人のトークが披露される。そして今月11月に登場するのが、昨年惜しまれながら解散したロック・バンド、plentyの元ヴォ―カリスト/ギタリストである江沼郁弥。江沼は来る11月7日(水)にファースト・ソロ・アルバム『#1』を発表する。

Mikikiでは、〈Monthly Disc〉で放送された江沼のトークの完全版をテキストにて独占公開! 5週にわたって、放送後に随時公開していきます。オンエアされたトークはもちろん、泣く泣くカットされた発言もすべて公開していくので、ラジオと共に毎週必ずチェックしてほしい! *Mikiki編集部

Monthly Disc:江沼郁弥(第1週/11月2日放送分)

「RADIO DRAGON-NEXT-」をお聞きのみなさん、菅野結以さん、お久しぶりです! こんばんは、江沼郁弥です。〈RADIO DRAGON〉には、以前plentyで何回か出演させていただいていて……お久しぶりです、江沼です(笑)。戻って参りました。

11月7日にソロとしてファースト・アルバム『#1』を発売します。このコーナー〈Monthly Disc〉でこれから一か月間アルバムについて特集してもらうということで、よろしくお願いします。

 

――plenty解散からの一年はどんな時間だった?

解散して一年何をしてたんだと、ソロで活動を始めてからは取材などでも訊かれたりするんですけど。うーん……基本的には、犬の散歩をしてましたね、一年間ずっと(笑)。犬の散歩しかほぼしてないかなっていう感じです(笑)。

まあ、前は(解散してすぐの頃は)もちろん制作もしてたんですけど……plentyでの最後のライヴが野音だったんですが、その次の日にはもう制作をしてて。思ったよりも自分にとって作曲をするという行為が体になじんでいた、染み込んでいたというか。今こうやって振り返ると、そう思いますけどね。

初めはずっとインスト曲を作ってたんですよ。で、歌うのがなんかちょっとイヤというか、何ていうか、もうやり切ったのかなーと、そんな甘っちょろい事を考えてたのかな。歌うってことを避けつつ、インストものを一年間作ってました。

で、インストの曲ってそれまで趣味程度ではやってたことはあるけど、改めて本気で作るとなると、やっぱり難しくて。自分は歌を主体に作曲してたタイプなので、インストということでオリジナリティーをどこに持たせるか模索するじゃないですか。それを探してるうちに、自然と歌ってたんですよね。ふにゃふにゃふにゃ……と。そんな感じで気付いたら歌ってたって感じで。まあ、自分自身を呪ってたんだなあと。無意識っちゃ無意識だけど、歌わないようにしてたのかなと。

そこからは早かったですね。詞を書いてアルバムを作るとか、ライヴをするとか、手伝ってくれる仲間を探すとか。そういうのはするするといったかなと。曲が出来てくると、こういうふうにライヴがしたいなってのが自然と出てくるし、こういうふうになっていきたいなとか。そういうのは自然と出てきたかな。……まあ、でも基本的には犬の散歩ってことにしておいてもらったほうがいいかな(笑)。

 

――ソロでの活動はいつからイメージしていた?

曲を作ってたときはやっぱり夢中だったというか、作曲をし出すとそれしか見えなくなるところがあるし、ずっと集中してたので。〈あ、歌ってたわ〉〈また歌う事になってる〉という感じでしたね(笑)。

plentyをやめる時点では、もちろんソロで活動する予定もなかったし、何か音楽関係の仕事をするってこともまったく予定になかったので、歌いたくないというよりも〈歌わないことになるのかな?〉という感じでした。当時はやっぱりラストに向けていたので、考え出すといろいろと考えちゃって、ツアーもあったし、集中できないからあまり考えないようにしてたってのはあって。

それで全部終わってから、気持ちの整理をする前に曲作りは初めてたんです。そのときはどんな気持ちだったんだろう……でもソロ活動をしていくうえでヘンな縛りは設けずに、フラットに始めたいな、というか。自分もワクワクしながらやりたいなっていうのがあったので。インストものをやってもおかしくないような(視野の広い)活動をしていきたいなというか。

ソロでの活動をイメージしはじめたのは、最近のような気もするし、ずっと前からのような気もするし。まあでも解散して半年後ってことにしておきましょうか(笑)。

江沼郁弥 #1 1994 Co.Ltd.(2018)

――『#1』について

そして、完成したアルバム『#1』ですけども。先ほど“flash back”という曲を聴いてもらったんですけど、これからあともう一曲流せるということで、“として”を。

“として”は、わりとサンプリングで作っていて。今回は全部の曲で歌以外は生音が入ってないんです。特にスタジオでせーので録ったりとかしてなくて。これから聴いていただく曲も、“flash back”と同じくらいの分量でサンプリングを使ってる曲。曲調も今までとまったく違う(笑)。ラップとも言えないし、何系と言われてもわからないけど、ゆったりとしたグルーヴの曲で。このアルバムを聴いてもらっていちばん驚かれるのは“flash back”かこの曲ですね。

この曲、サンプリングで作ったと言いましたけど、やりながら一緒に歌詞も書いていった感じで。音に引っ張られていって書いたという、たぶん今までになかった書き方をしていて、不思議な曲だなと自分でも思います。……ということで、また来週もよろしくお願いいたします! 江沼でした!

 


★本トークはコチラから、オンエア日より1週間聴くことができます!

TOKYO FM「RADIO DRAGON-NEXT-」は毎週金曜日27時~29時に放送中。
※TS ONE(全国聴取可)にて毎週土曜日20時~22時で再放送有り。
https://www.tfm.co.jp/dragon/

 


Profile:江沼郁弥(エヌマ フミヤ
88年9月24日生まれ、茨城出身のシンガー・ソングライター。2004年に地元の同級生と共にロック・バンド、plentyを結成し、ヴォーカル/ギターを担当。2008年に上京、翌年にミニ・アルバム『拝啓。皆さま』でCDデビュー。2017年9月の日比谷野外大音楽堂公演をもって解散。翌2018年9月よりソロ活動を開始し、限定盤EP『Prototype EP』を発表。2018年11月7日にファースト・アルバム『#1』をリリース。

〈LIVE #1”〉
2019年1月15日(火)愛知・名古屋CLUB QUATTRO
2019年1月16日(水)大阪・梅田CLUB QUATTRO
2019年1月23日(水)東京・渋谷WWW X
2019年1月24日(木)東京・渋谷WWW X
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