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【久保憲司の音楽ライターもうやめます】第1回 オタクはこんまりさんにどう向き合う?

ネトフリ時代のロック・ファン悲喜こもごも

ニルヴァーナやオアシスなど数多くのロック・レジェンドたちを撮影してきたカメラマンにして、ウェブページ〈久保憲司のロック・エンサイクロペディア〉を運営するなど音楽ライターとしても活躍しているクボケンこと久保憲司さん。Mikikiにも度々原稿をご提供いただき、ポップ・カルチャーについての豊富な知識とユーモラスな筆致で、いずれも人気を博しています。

そしてこの度、クボケンさんによる新連載〈久保憲司の音楽ライターもうやめます〉がスタート! Netflixやhuluの普及以降、〈ネトフリがおもしろすぎて音楽を聴くヒマがない!〉という嬉しい(?)悲鳴を上げているリスナーが多いそうですが、なにやらクボケンさんもネトフリ沼にハマってしまっている模様。この連載では、主にNetflixの作品を題材に、視聴することで浮き上がってくる〈音楽のいま〉について考えます。第1回に採り上げるのは、いま全米で社会現象になっているという話題の番組「KonMari ~人生がときめく片づけの魔法~」。〈ときめく〉というキーワードから見えてきた、オタク(収集家)のあるべき姿とは? *Mikiki編集部

 

Netflixオリジナルシリーズ『KonMari ~人生がときめく片づけの魔法~』独占配信中
 

ネトフリ廃人になりそうな久保憲司です。

Netflixって何なんすかね、元は宅配DVDレンタル屋さんですよ、TSUTAYAも頑張っていたら世界のTSUTAYAになっていたような気がするんですが、悔しいです。

Netflixっていったい何なのかを知りたくて元Netflixのパティ・マッコードが書いた本「NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く」を読んだら、完全に人事/組織論についての本でビックリしました。Netflixがどういう戦略で作品を作っているのかが少しは書かれているだろうと思ったのですが。Netflixの人事/組織論は、一言で言うと〈言いたいことを言い合う〉でした。他の会社から来た人は突然言いたいことを言われて泣いたりしていたそうです。そういう社風がおもしろい作品を作り出しているのかと肝に銘じました。僕が肝に銘じても仕方がないですけど。

そんなNetflixですが、彼らが制作したアルフォンソ・キュアロン監督の「ROMA/ローマ」がアカデミー作品賞をとりそうです。予想しておきます。今年のアカデミー作品賞は「ROMA/ローマ」です。この映画は配信に先駆け劇場公開をしたんですが、公開日数が少なかったと米興行界と揉めていて、アカデミーの前にノミネート作品は再上映するという慣習のなかに入れてもらえず、業界からの嫌がらせも相当なものみたいです。なので、作品賞をとれない可能性も大なんですけど、フェリーニとかベルイマンを思い出させる、これぞ映画な「ROMA/ローマ」が大本命だと思うのですが。

「ROMA/ローマ」も観てほしいのですが、Mikikiをチェックしている方はたぶんCDやDVDなどいろんなモノにあふれていると思うので「KonMari ~人生がときめく片づけの魔法~」を観てもらいたいです。

知っておられる人もおられるかもしれませんが、近藤麻理恵さんという〈片づけコンサルタント〉です。その方が日本を飛び出し、世界でブレイクされているのです。初めて彼女の番組を観たとき、びっくりしました。まさか片付けにスピリチュアルをくっつけるとは。〈ときめく〉片づけですからね。外国の方は彼女が家に来たら、妖精が来たと思っているんじゃないでしょうか!

妖精が来て、ごちゃごちゃゴタゴタしていた家庭がまた元気を取り戻していくという番組です。

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そんなの観ていて、楽しいのかと思われるかもしれないですけど、やっぱモノが片付いていくのを観るのは楽しいです。観ていて、〈メルカリで売れ〉と思うのですが、そんなのしていては片づきません。

モノを全部いったん出して、そのモノに触れて、それがときめくか/ときめかないかで断捨離していくのです。

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CDに触れて、そのCDにときめくか/ときめかないか、そんなことはないですよね。でもこんまりさんの〈本を一度全部本棚から出して、山積みにして、その上をトントンと叩いてやると本が生き返るんです〉という説明はスピ入ってますけど、なんとなくわかるような気がします。たくさんコレクションするのはいいですけど、それをずっと見ないでいるというのはなんかよくない気がします。こんまりさんが〈しまうときは全部見えるようにしまいましょう〉というのもよくわかります。CDがたくさんになったからと、CDの前にまたCDを置いていくというのはコレクションが死んでいるということだと思うのです。

全部見えるようにしたら、〈俺のコレクションが半分になってしまう〉という気持ちはよくわかります。でも、自分の身の丈にあったコレクションをしていくべきなのです。物を愛するということはそういうことなのかもしれません。一年に一回ちゃんと一度全部棚から出して、ホコリをとって、空気を通してやる、それをちゃんとやれるくらいの分量が自分にとって、ちょうどいいコレクションの量なんだと思います。

彼女のメッセージ 〈片づけによって人生をときめかせる(変革し、成功へ導く)〉は正しいと思います。片づけによって、あなたのコレクションをよりときめかせてください。

 

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