Photo by Tsuneo Koga

 

先日、みんなが〈フジロック〉でワイワイしている最中に、私は〈ホセロック〉に行ってきました。簡単に言うと、ホセ・ジェイムズの来日公演へ行ってまいりました!
なんやかんや足を運ぶタイミングを逃し続けていたBLUE NOTE TOKYOにも初潜入。エントランスがカッコ良かったです。

 

 

リリースされたばかりの最新作『While You Are Sleeping』を引っ提げての今回のジャパン・ツアーは、同作のレコーディング・メンバーが全員揃うという編成もだいぶポイントだったと思います。同作でソングライティングにも関わっていたホセの古くからの友人、タリア・ビッリグ嬢もコーラスとして帯同。個人的には……優しいタッチに震える鍵盤奏者のクリス・バワーズが観たかった(ホセがメンバー紹介の際に〈Ladies love Kris Bowers……〉と言っていたので、やはり女子人気高いっぽいす)ので嬉しい!

 

 Photo by Tsuneo Koga

 

バンド・メンバーに続き、穏やかな笑みを湛えてステージに登場したホセ。最新作の冒頭曲“Angel”から収録曲順に、じっくりと曲を披露していきます。やはり表情豊かなギターが効いてる! “EveryLittleThing”あたりのロックっぽいナンバーがフィーチャーされがちですが、それだけでなく最初の数曲を聴いただけでもファンク調だったりフォーキーだったりと、見事に同じスタイルのものがなく、それが独特の間を持つリチャード・スペイヴンのドラムなどと相まって、あの素晴らしいサウンドが生まれているんだなと改めて実感しました。ちなみに、ホセはちょいちょいMCで次に披露する曲について簡単に語っており、“Anywhere U Go”“4 Noble Truths”はアリス・コルトレーンの音楽がインピレーション源だと言っていました。“4 Noble Truths”の荒野感、好きです。

【参考動画】ホセ・ジェイムズの7月22日は東京・COTTON CLUBでのライヴ映像

 

中盤を過ぎ、まさに〈めくるめく〉という言葉がぴったりのセットリストに若干涙ぐんでおりましたが、彼のショウはまだ終わりません。前作『No Beginning No End』収録曲で、主役の弾くアコギが良い味&ベーシストのソロモン・ドーシーも美声コーラスを聴かせていた名曲“Come To My Door”を挿み、ホセがメロディアス……というかラッパーではないからこそのユニークさ(良い意味で)がある速射ラップを披露したフリースタイル・フェローシップカヴァー“Park Bench People”へ。スペイヴンのドラム・ソロから、彼の叩くビートにニルヴァーナ“Smells Like Teen Spirit”をミックス(もちろんホセが歌ってるんだけど)したりも! 下手に手を出すと危険(だと思ってる)な同曲をここまで我流に採り入れられたらグウの音も出ません。

【参考動画】ホセ・ジェイムズ“Park Bench People”
ライヴではこのようなスムースな感じではなく、かなりパッショネイトでした!

 

私が観た公演以外のセットリストを見ると、“Park Bench People”の替わりに、最新作に収められていたアル・グリーン“Simply Beautiful”のカヴァーなどを演る時もあったみたいですね。こちらもぜひ聴きたかったけど、ホセがラップしているのを観るのも貴重だと思うので良かったかな。この曲からの本編ラスト“EveryLittleThing”という流れもナチュラルでイイ感じでした。

 

Photo by Tsuneo Koga

 

そしてアンコールは、皆さんお待ちかねの“Trouble”。どう考えてもカッコイイ終わり方です! ほんの1時間ほどのステージでしたが、実に中身が濃い濃い……。ホセは終始穏やかな佇まいながら、内に秘めたパッションを放出するような瞬間にグッときたり……。さらに虜になってBLUE NOTEを後にしました。それにしても、このホセ・バンドは本当に素晴らしいです。

【参考動画】ホセ・ジェイムズの2013年作『No Beginning No End』収録曲“Trouble”