【AFROBEATS】
Rema
天野「ナイジェリア南部、ベニン・シティ出身の〈アフロポップ・プリンス〉ことレマ。2000年生まれでまだ20歳の彼は、バラク・オバマの〈Summer Playlist 2019〉に選ばれた“Iron Man”で知られるようになり、その後ドレイクやリアーナらがレマのシングル“Dumebi”(2019年)をInstagramなどにポスト。一躍セレブから愛されるアーティストに。サウンドはアフロビーツがベースなのですが、独特の呪術的なムードのフロウやナイジェリア風メロディーが個性的。アルーナ&ケイトラナダの“The Reicipe”(2020年)でフックアップされたことが示唆するとおり、これから米欧のシーンでどんどん活躍していくと思います」
【DANCEHALL / REGGAE】
Projexx
天野「プロジェックスは、ジャマイカ・キングストンのダンスホール・アーティスト。ヒップな感覚が魅力で、〈チャラい〉と言ってもいいかも(笑)。キング・ジャミーの孫で〈ジョン・ジョン〉ことロイド・ジェイムズ・ジュニアの息子、という彼は生粋のレゲエ一家に生まれています。メジャーのワーナーとサインして2020年11月にミックステープ『Fully Vol. 1』を発表、ダンスホールに留まらずトラップなどをどん欲に取り込んでいて、メインストリームに切り込む気概を感じる傑作です。昨年の話題作であるウィズキッド『Made In Lagos』に参加していますし、今後ポップカーンのようにダンスホールの枠組みを越えて、米英アフリカのシーンでも活躍していく才能になるんじゃないかと期待しています」
Jada Kingdom
天野「ジェイダ・キングダムはジャマイカのダンスホール・シーンにおけるライジング・スターで、シングル“Banana”(2018年)で注目を集めました。The FADERは彼女のことを〈痛みを表現するジャマイカのオルタナティヴな声〉と形容しています。最新シングルはトラップ調の“Green Dreams”。昨年はミックステープ『E-Syde Queen: The Twinkle Playlist』を発表していますが、今年はアルバムのリリースに期待したいところです。最近、いろいろな場所で彼女の名前を見かけますね。2020年のヒット作であるポップカーンの『FIXTAPE』にも参加していましたし、注目度の高さが窺えます」
【REGGAETON / LATIN TRAP】
Princesa Alba
天野「プリンセサ・アルバはチリのシンガーです。“Mi Only One”(2017年)のヒットで頭角を現した才能で、日本ではほとんど知らていないと思いますが、Instagramのフォロワーはなんと56万人(2021年1月現在)! チリ、ひいては南米やスペインなどではスターなんでしょうね。レゲトンやラテン・トラップから、まるでK-Popのようなダンス・ポップ“Ya No Quieres Quererme”(2020年)まで、さまざまなスタイルの楽曲を歌いこなす彼女。かすれた歌声がかなりセクシーですし、強烈なカリスマ性の持ち主でもあるので、これからアメリカでも注目されていくのではないでしょうか」