長いことベッドルーム・ミュージック的な制作スタイルを取ってきたTOMOVSKYだが、この新作は特に密室的なサウンドが軸を成す。メロディーやアレンジからは、彼のルーツであるビートルズやELOからの影を見い出すことも可能だ。〈なんでもコロナのせいにしない〉と歌われる“コロナ関係なし”など、パンデミックを笑い飛ばすような歌詞が目立ち、そのマイペースぶりにほっとした。ストリングスの使用も実に効果的だ。