リチャード・アシュクロフトとリアム・ギャラガーがデュエット、と聞いた時の最初の感想は〈え、今2021年だよね?〉でした。しかもそれが2000年リリースのリチャードの“C’mon People (We’re Making It Now)”のカバーなんて!と驚いたものの、90年代のUK音楽シーンを牽引したヴァーヴとオアシスのフロントマンによる垂涎のコラボはとにかくやっぱりかっこいいのです。私は原曲至上主義というか、どちらかと言うとリアレンジされた曲よりもオリジナル曲の方が好きな種の人間なのですが、今回ばかりは完全にやられました……。2人の掛け合いには心が震えるものがあり、体内から妙なエネルギーが沸き上がるような感覚にさせてくれました。いつまでも90年代を引きずってんなよーとか思わずにとにかく全人類に聴いて欲しいです。
澤田友広(情報システム2部)
Noga Erez “End Of The Road”
最初は何かのプレイリストで聴いたのかな……誰かもわからず、聴こえてきたこの曲に〈これまでにない新しい音楽〉に触れた感じがして、今年一番印象に残った曲です。楽曲は、音、リズム、ラップ、歌詞(英語わかんないけど雰囲気ね)から、シリアスな雰囲気を感じるんだけど、ちゃんとメロディーはポップだったりして絶妙な組み合わせが好きなのかも。なにより、ラップのような歌のような、独特な歌い方が耳に残っていて、よく脳内ループしてました。原曲のMVも良いですが、〈Against The Machine〉と銘打って、アコースティック楽器でのみ演奏してるバージョンが公開されてて、これがまたカッコイイです。ホーン系の入れ方とか、リズムを刻む感じで派手にしてなかったりとか。
本田昇平(経理部)
David Byrne “Burning Down The House”
映画「David Byrne’s American Utopia」サントラより。2019年リリースかと思いますが、映画の国内公開が2021年という事で選出しました。まずは映画を観て欲しいです。今年一番の音楽体験でした。
具嶋美保子(福岡パルコ店)
The Death Set “Elephant”
とにかく、暴れたい! ここ最近の世情もあるのか、たまに家帰って思うのです。2008年の〈フジロック〉での彼らがとにかく楽しかったのをふと思い出して調べると、なんと、9月に新作を出してるじゃないか! ってことで、手にした時は狂ったように聴いてました。初期ビースティ・ボーイズのようなハードコアとヒップホップスタイルに、ローファイエレクトロサウンドを融合させる音楽性で、とにかくアクティブ。なにも考えず、お酒飲みながら聴くとより一層楽しめます。なんだかモヤモヤする気持ちで沈んでた私を救ってくれた1枚。
寺本将巳(福岡パルコ店)
No Rome “I Want U”
この時期になると何を聴いてきたか年間ベスト的なこと考えたりするのですが、この音楽シーンが変わっていく中で今年も山ほど素敵な音楽に出会い力をもらいました。そんな沢山の出会いの中からアルバムではなく1曲に絞り込むのは難しかったのですが。。。もう純粋にリピート回数が多かった曲を選ばせて頂きました。The 1975のマシュー・ヒーリーに見いだされロンドンを拠点に活動しているノー・ロームの待望のファーストアルバム『It’s All Smiles』は今年繰り返し聴いた愛聴盤ですがその中から1曲。自分にはしっくりくるはずもないラブソングですが、切ないメロディー、1曲の中で表情が変わっていくサウンドがいつ聴いても新鮮で心に沁みました。