デビュー作が本国でチャート首位に輝いた後でワールドワイドに飛躍し、日本でもツアーや〈サマソニ〉出演を通じて着実に支持を獲得しつつあるノルウェーの歌姫が、約2年半ぶり3作目のオリジナル・アルバムをリリース。天使や精霊をイメージさせる清らかで天衣無縫なヴォーカリゼーションの凄まじい美しさはそのままに、今回はギリシャ神話で描かれた神々の不完全性にインスパイアされ、すべての多様な個性を祝福するようなメッセージを印象的に響かせている。そんなテーマも関係あるのか、従来の超然とした緊張感は纏いながらも彼女自身の人間味が前に出てきていて、馴染みのマグナス・スカイルスタッドを中心としたサウンドメイクも主役のスケール感を大らかに包み込んでいるのが特徴的だ。