現役屈指のチェリスト、スティーブン・イッサーリスは筆も立ち、「もし大作曲家と友だちになれたら…」は子供から大人まで親しめる作曲家エッセイとして世界的ロングセラーとなった。今回の著書は大作曲家ロベルト・シューマンの名文「若き音楽家への助言」に記された箴言(例えば「熱心に練習し、不屈の努力を続けることで、ひとはさらなる高みへ上る」)をひも解き、音楽家にとって大切なことや求められる要素についてユーモアを交えて綴った1冊。個人的に最も頷けた本書所収のシューマンの言葉は「現存の優れた作品に、一つ残らず親しむには、人生100回分の時間が必要だ」。