デビュー25周年イヤーに到着した7年4か月ぶりのフル・アルバム。身体が否応なく反応するトライセラらしいグルーヴはありながらも、80s的でメランコリックな“いっそ分裂”など、作品全体をどことなくシリアスなトーンが覆っているのは、未曾有の時代ゆえ。混乱する社会に対して痛烈な皮肉を吐きながら、孤独も感傷も苛立ちも、すべてまとめてグッド・メロディーに乗せて解放していく、正真正銘のロック・アルバム。