©Leco Moura

新世代の元へ精鋭集結。これぞ2022年最高のMPB作!

 ブラジル音楽ファンならもうほとんどの方がご存じなのではなかろうか。なんたって今年配信されるや否や即絶賛、ネット上に日本語のレビューがぽんぽんあがってたくらいだ。この手のジャンルでなかなか無いレスポンス具合に驚いたがそれ以上に聴いてみて驚いた。

 ブラジル音楽はもちろんレゲエ、サルサ、ソフトロックといった様々な要素を取り入れた楽曲の洗練度、完成度の高さがめちゃくちゃで、噂通りこれがノー・エディットならかなり神。

 お洒落で心地もよく、何よりも小難しいこと抜きで楽しめる曲のよさは格別だ。とくに冒頭、街中だか店内だかのお喋り、徐々に近づき遠ざかるカーニバル。そして現れる華やかなコーラスと管弦に彩られたあまりにファンタジックなダンス・バンド! この1曲だけで年間ベスト確定と言ってもいいくらい。

BALA DESEJO 『Sim Sim Sim』 Noize Record Club/Coala/THINK!(2022)

 それはそうとこのバーラ・デゼージョのデビュー作はパンデミックによる制限された生活にうんざりだったSSWのジュリア・メストリが気分転換に音楽を作るべく仲間を集めたのがきっかけだそうで、メンバーはジャキス・モレレンバウムの愛娘ドラ、カエターノの新作『メウ・ココ』で共同プロデューサーを務めたルーカス・ヌネス、ガル・コスタとも共演もしているゼ・イバーハというリオの若手4人。4人はジュリアが2019年に発表したソロ・デビュー作にも参加している。驚いたことはもうひとつある。ゲストメンバーだ。共同プロデューサーにアナ・フランゴ・エレトリコ、ミックスにレオナルド・マルケス。加えてチン・ベルナンデスやフーベルといった新世代筆頭が多数名を連ね、モレーノ・ヴェローゾやカシン、ドメニコらとのアルバムも素晴らしかったベーシストのアルベルト・コンチネンチーノ、マルセロ・コスタ、ストリングス・アレンジでジャキス・モレレンバウムというレジェンドまで管弦楽器、パーカッション含め総勢30名以上が集結。ブラジルの音楽シーンの繋がり恐るべしってな面々。