かつてワープからのリリースでも知られたクラークの2年ぶりの新作は、彼がこれまで残してきた作品とは一味違う内容だ。レディオヘッドのトム・ヨークがエグゼクティヴ・プロデューサーとして関わったサウンドは歌が前面に出ており、ポップソング集という色合いが濃い。ポリリズムを駆使した精巧なビートは魅力的だが、そのビート以上にメロディーが特徴の作品だ。見い出せる要素もアンビエントやバロックなど従来のイメージとは異なるものが多い。また、ドラマーのリチャード・スペイヴンが参加している影響か、ジャズの香りも楽しめる。クラークの進化はとどまるところを知らない。