2022年に57歳の若さで亡くなった映画監督・青山真治。本作は四半世紀に及ぶ彼の映画監督としての仕事を多角的に取り上げた一冊。冒頭に青山真治の同伴者たち、阿部和重らの論考を収録。樋口泰人氏の文章が心をうつ。冨永昌敬、染谷将太、甫木元空といった映画監督、映画俳優たちへのインタヴュー。三宅唱監督の視点が興味深い。渡邊英理、須藤健太郎といった映画批評家による評論。細田成嗣による「AA」論は重要な内容。そして極め付きなのは、青山真治の未発表の脚本を中心としたテキスト。「Helpless」、「月の砂漠」の第一稿が収録されており発表された作品との違いを知ることができる。