キューバの作曲家・ピアニスト、ダヴィ・ヴィレージェスの純粋なピアノトリオでのおそらく初の、アルバムが届いた。ドラムはエリック・マクファーソン、ベースはベン・ストリート。自分のルーツに、時にアブストラクトに、コンセプチュアルにアプローチしてきたが、今回は、ピアノトリオというフォームにストレートに向き合ったことが原因なのか、音楽の表情がとても穏やか。ポピュラー1曲を除いてすべてオリジナルという姿勢は相変わらずだが、今回キューバだけでなくジャズに向き合って書いたと思われる楽曲は、シエラの山々にモントゥーノをこだまさせながら、アンドリュー・ヒルのように響く。