米国風ティンバとでも訳せばいいのだろうか。アロルド・ロペス・ヌッサ、ブルーノート・デビューとなる新譜には、日本ではあまり耳慣れないラテン音楽のジャンル、ティンバが記された。かつてジェルバ・ブエナやそのメンバーであるペドロ・マルティネスがラテン界のEW&Fとなるべく情熱をそのジャンルに注いだ。今回彼がそのジャンルを呼び込んだのは、兄弟で取り組んできたクラーヴェにさらにファンキーな要素を取り込んだことを宣言するためか。ボトムはタイトになり、グレゴア・マレのハーモニカがヌッサのこれまでと変わらぬセンチメントを注ぎ込む。これまでラテンにはなかった音色が新鮮。