ソロ・デビュー10周年イヤーに相応しい、つんく♂書き下ろしのシングルが登場!

 〈古き良き時代から来ました。まじめなアイドル、まじめにアイドル。〉――可憐であり、そして逞しく、へこたれず、アイドル史に足跡を残しながら活動10年目を迎えたゆっふぃー(そしてオタクの皆さん)に、大きなプレゼントが届いた! ニュー・シングル“大宇宙の無限愛”は、アイドル・寺嶋由芙の原点であり、いちばんの憧れ、ハロー!プロジェクト――言わずと知れたその創始者であるつんく♂作の楽曲なのである!

寺嶋由芙 『大宇宙の無限愛』 インペリアル(2023)

 「つんく♂さんが総監修されている〈中2映画プロジェクト〉で製作された作品の主題歌を歌わせてもらった時に、10年ぶりぐらいにつんく♂さんご本人に直接お会いする機会がありまして、それまでずっと〈いつか曲を書いてもらえたらいいな〉って思ってたことが、ちょっと現実的に動き出すチャンスかもというか、いまアプローチするっきゃない!……みたいな感じにスタッフさんたちがなってました(笑)」。

 10年目を迎えるゆっふぃーのためにと、レコード会社のスタッフの皆さんががんばっていただき――「アピールしてくれてる感じは伝わってたんですけど、 そんなに人生うまくいくわけないって、聞いてないふりをしてたというか、期待しないで待っていようって(笑)」――その結果、めでたくつんく♂曲がいただけると知らされたのが、今年2月に浅草・雷5656会館で開催されたワンマン・ライヴでのステージ上。そして、どんな曲が出来上がってくるのかというドキドキワクワクを抱えながら、待つことしばし。このたび仕上がってきた“大宇宙の無限愛”は、つんく♂マナー全開! モーニング娘。で喩えるならば、プラチナ期(高橋愛がリーダーを務め、メンバー変動がほぼなかった2007年~2010年頃の時期)を彷彿とさせるテンション高めな仕上がりで、アレンジを手掛けたのは古参のハロヲタの皆さんであれば思わずビックンビックン反応せずにはいられなくなる平田祥一郎先生!

 「本物だぁ!って感じ(ニッコリ)。いままででいちばんアイドルっぽい……というか、私が思ってたアイドルっぽい曲。最初に聴いたときはプラチナ期の雰囲気だなって思ったけど、実際に自分が衣装を着て踊りまでやってみたら℃-uteさんのような雰囲気もあるなって思いました。憧れのエッセンス、 ハロー!プロジェクト25年分を詰め込んでもらった感じがしますね」。

 さもすれば、モーニング娘。が25周年記念盤とか言って出してもおかしくないぐらい、あれやこれやが注ぎ込まれている“大宇宙の無限愛”。戦う女子、逞しい女子、でもときどきセンチになって……みたいなハロプロ楽曲の歌詞によく出てくる女子像だったり、そもそもタイトルからして匂いプンプンだし。

 「〈笑顔して泣いてる〉っていうフレーズはあやや(松浦亜弥)の大名曲“笑顔に涙~THANK YOU! DEAR MY FRIENDS~”を思い出しましたし、〈私っきゃ〉みたいな言い方もBerryz工房さんの曲にあったなとか、そういうものを入れていただいたのがめちゃくちゃ嬉しかったです。しゃくって歌うところとか、〈か〉じゃなくて〈きゃ〉って発音するところとか、あとは、リズムを気を付けてっていうことも仮歌の音源をいただいた時点で指示をいただいて。私も25年モノマネしてきたつもりではいるんですけど、ホンモノにするのは難しいですね(笑)。あと、声の芯みたいな部分も、ハローの方ってすごく通るというか、凜とした声、可愛い声でもピンとしてるから、そのあたりホンモノはすごいなぁ……って。“大宇宙の無限愛”は〈っぽさ〉満載なんですけど、いままでのどのハロプロ楽曲とも違うって感じさせるのもすごいなって思います」

 サウンド面においても非常にスピード感のある、ゆっふぃー史上最速の楽曲となっているだけに、ステージ・パフォーマンスでもハイライトになること間違いなし(初お披露目となった7月9日のワンマン・ライヴでの模様は初回限定盤に付いてくるDVDでも観られるのさっ)。

 「つんく♂さんがライヴの盛り上がりを考えてくださったので、振付けもかなりの運動量ですね。地べたにペタンって寝転ぶ振付けがあるんですけど、 そうやってステージを使う振付けはいままでほとんどやってなかったですし、こういうのってグループでやるやつじゃん!って(笑)。だから、オタクがめちゃくちゃ喜んでるんですよ。振りコピもみんなやってくれるし、あとはハローを通ってるオタクも、通ってないオタクも、オタ芸をハローに寄せなきゃいけないって言って、なんか土下座してたりとか、コールもネットに上がっている情報を参考にして、みんなでいろいろいじってくれているみたいで」。

 そんなハロプロ礼賛ぶりはカップリング曲でも! 松浦亜弥“気がつけば あなた”をラヴァーズ・ロック風味でカヴァー(アレンジはSANABAGUN.の大林亮三が担当)。

 「カヴァーをやろうっていう話を私が言い出して、最初いろいろな案を考えたんです。ハローの好きな曲を全部繋げてメドレーにするとか(笑)。そしたらプロデューサーの加茂(啓太郎)さんが〈ラヴァーズ・ロックにしましょう〉って言い出して、ラヴァーズ・ロックってなんだ?と思って。それで、これですみたいな感じで、中島美嘉さんの“接吻”とかを聴かせていただいて、あっ、こういうアレンジになるんだったら、“気がつけば あなた”がいいなと思って。気がつけばずっといてくれた彼に対する気持ちみたいなのって、ちょっとこう、大人になってから歌う意味あるなっていう気がすごくしたんですね。オタクに〈10年ありがとう〉みたいな気持ちも込みで」。

 ゆっふぃーの無限なるハロプロ愛で満ち満ちたニュー・シングル。分身で埋め尽くされたジャケットにもほっこり。ハロヲタの人にも、そうでない人にも、このユーモアを買っていただきたい!

 「衣装もすごく研究して作っていただきましたし、初回限定盤のジャケットは、完全にプラチナ期みたいにしていただきました。衣装や髪型は変えてないんですけど、『プラチナ 9 DISC』(通常盤)のジャケットを見て、この位置は久住小春ちゃんかな、ここは高橋愛ちゃん、ここは光井愛佳ちゃん、みたいな感じで顔を作ってます(ニッコリ)。私も長くやってきたおかげで、好きだったものやリアルタイムで聴いていたものがもう昔のものになってるんですけど、〈古き良き時代から来ました……〉っていうキャッチフレーズのなかに収められる範囲が増えていくので楽しいですね」。

左から、“気がつけば あなた”を収録した松浦亜弥のベスト盤『松浦亜弥 10TH ANNIVERSARY BEST』、モーニング娘。の2009年作『プラチナ 9 DISC』(共にzetima)