これまで各々に、ジャズをはじめとする様々なアプローチによりアラブの伝統音楽を独自に発展させてきたギタリストのBaptiste Ferrandisと、サズ奏者のAbdallah Abozekryという若き俊英がタッグを組んだZamakanによる初のフルアルバム。基本ギターとサズのみで、ベースとなるアラブ伝統を北アフリカ音楽やロマ音楽、フラメンコ等と繋げ宇宙的な広がりをもたらすアンサンブルは圧巻。とくにコンテンポラリーなインド音楽に新風巻き起こしてきた超絶ヴァイオリニストBaiju Bhattをフィーチャーした3曲が白眉で、複雑難解な拍子と譜割りが心地よく意識を混濁させ、魅惑的な旋律にのせ古代へと誘ってくれる。