マイ・ケミカル・ロマンスの活動休止から1年半、フロントマンのジェラルドがソロ作を発表した。前もって伝えられていたブリット・ポップ色よりも、むしろ70年代末~80年代前半のUKニューウェイヴや、その先駆けとなったベルリン時代のデヴィッド・ボウイの影響が強く感じられる。畳み掛けるようなヴォーカルこそバンド時代を彷彿とさせるが、あえて当時とはまったく違う作風のアルバムを作った点に大きな意味があるだろう。マイケミ壊滅状態の悲しみを乗り越えるために書いたという楽曲群を、まずはまっさらな気持ちで楽しみたい。みずからが演奏したキーボードの音色も新鮮だ。すでにライヴで披露済みの新曲を多くの人が絶賛していて、ここから彼の新たな音楽人生が始まろうとしている。