情熱と挑戦と勢いを溢れんばかりに詰め込んだ、25周年に相応しい名盤が完成! 圧倒的に刺さるメロディーと言葉は未来へ向かう現在をポジティヴに輝かせる!

 アカマトシノリ(ヴォーカル/ベース)、チフネシンゴ(ギター/ヴォーカル)、ドウメンヨウヘイ(ドラムス/コーラス)の3人が集まり、地元の千葉で98年に始動したHOTSQUALL。結成25周年を迎えるタイミングで〈新旧のHOTSQUALLのハイブリッド〉と本人たちも胸を張る5枚目のフル・アルバム『HOPE』が完成した。これまで以上の振り幅を誇る曲の数々と、それを可能なものにしたメンバーそれぞれのプレイヤビリティの高さもさることながら、アルバム一枚通してエネルギーの塊を思わせるところが頼もしい。ここではコロナ禍以降、精力的に続けてきた楽曲制作の中で3人が果敢に開いていった新しい扉の数々について訊かせてもらった。

HOTSQUALL 『HOPE』 ONION ROCK(2024)

 

もっといろいろな扉が開ける

――2022年1月のミニ・アルバム『RAIN GROOVES』からストーリーは出来上がっていたとチフネさんは仰っていましたが、その頃から結成25周年に合わせてフル・アルバムを出すという目標を立てて、動き出していたわけですね?

チフネシンゴ「そうですね。でも、振り返ってみると、コロナ禍の真っ只中だった2020年に『SEVEN SHOUTS』を作ったとき、先は見えなかったけど、できることをやろうって曲をいっぱい作りはじめたんですよ。だから、その頃からの集大成と言えるかもしれませんね」

ドウメンヨウヘイ「ただ、けっこう長いスパンで曲を作ってたから個性の強い曲ばかり出来ちゃって、並べたとき、アルバムとしてまとまるのか自分たちでもわからなくなっちゃって。でも、そこからさらに1分に満たない短い曲も増えていって、アルバムとしてまとめることができたのは、けっこう直前だったんです」

チフネ「『RAIN GROOVES』のツアー・ファイナルを、2022年11月に渋谷のCLUB QUATTROで10-FEETとやった日に“Memories”を配信リリースしたんですけど、その“Memories”が出来たとき、新しい扉が開いた気がして、俺の中で漠然としていたものが明確になりました。その“Memories”がその後、ライヴで外せないアンセムになったことが強烈な手応えにもなって、俺たちはもっといろいろな扉が開けると思って。配信リリース第2弾の“Sonic”と第3弾の“Distance”も含め、『HOPE』にも入っているその3曲は俺たち的にけっこう攻めた曲で、俺たちにメロディック・パンクというイメージを持っている人たちからは驚かれるかもと思いながら、とことん攻めてみようってやってみたら、意外に反応が良かったんです。そこから、〈これができるんだったら、これもできるだろう〉って積み重ねてきた結果がアルバムとしてまとまった感じですね」

――『RAIN GROOVES』から再収録された“Skelter”は80sニューウェイヴ調のダークなサウンドが新境地を思わせますが、HOTSQUALLとして新しいことをやりたいという気持ちはその頃から芽生えていたんですか?

チフネ「7年前に前作の『ALRIGHT!!!』を作った時にメロディック・パンクとしてやりたいことは、ある程度やり遂げたと思って。そこから、さあ、どんな曲を作ろうかとなったとき、いろいろな引き出しを開けようって。もちろんメロディック・パンクは好きだけど、ロックも好きだし、オルタナも好きだし、日本の歌謡曲も好きだし、一回そういう引き出しも開けてみたらおもしろいんじゃないかってなったんですよ」