anoと幾田りら、話題作の主題歌を歌う!!

 突如東京に現れ、渋谷上空に停止した巨大な円盤。時折侵略者と自衛隊との戦闘が起きるが、地上ではそれまでと変わらない日常が続き、高校生たちは青春を謳歌していた――。浅野いにおの傑作コミック「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」がついに映画化。3月22日に公開された〈前章〉の主題歌は、anoと幾田りらによる“絶絶絶絶対聖域”だ。

ano, 幾田りら 『絶絶絶絶対聖域』 トイズファクトリー(2024)

 作詞をあの、作曲・編曲をTK(凛として時雨)が担当した同曲。最初に耳に飛び込んでくるのは〈デデデデストラクション〉という挑発的なanoの声。鋭利で煌びやかなギター、骨太にしてしなやかなベースライン、ヘヴィーな4つ打ちを軸にしたドラムなどが絡み合い、ゴージャスかつ攻撃的な楽曲に仕上がっている。オルタナティヴ・ロック、ダンス・ミュージックなど多彩な要素を融合させたサウンドは、まさにTKの真骨頂。もちろんanoと幾田りらのヴォーカルの絡みも魅力的だ。出自、音楽的ルーツ、歌手としてのスタイルはまったく異なりながらも、それぞれのやり方で日本の音楽シーンにおけるアイコンになった二人が、声を合わせ、ぶつけ合う。そのなかで生まれる緊張感とバディ感こそがこの楽曲の核なのだと思う。 *森 朋之

左から、anoの2023年作『猫猫吐吐』(トイズファクトリー)、幾田りらの2023年作『Sketch』(ソニー)