澄んだハミングがふんわり舞う“踊り場”、輪廻を思わせるクネったギター・リフや人間の有り様を飄々と問う歌が心地良い“人一人”と、序盤から彼女の脳内ラビリンスに吸い込まれる感覚で、その先に〈聴いた人それぞれの中にひとつの街が浮かび上がってくる〉というコンセプトが確かに見受けられるなど、とても豊かな広がりを湛えた2作目。ディープな世界観に浸っていたら、ポスト・ロック調のインスト“離陸”のライヴ音源(Hi-STANDARDの恒岡章もドラムで参加)が意表を突くように来たりするのも楽しい。持ち前のナチュラルさは純度100パーセントで冴えわたっている。