INTERVIEW

渡邊美和 『ナチュラルヴォイス II』

かつて出会ったスタンダード・ジャズを今のスタイルで歌う

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  • 2014.12.01
渡邊美和 『ナチュラルヴォイス II』

 たおやかなヴォーカルで歌う《Bewiched, Bothered & Bewildered》が優しく流れると、その優雅さに40年代に迷い込んだような錯覚に陥る。渡邊美和の新作『ナチュラルヴォイス II』は、彼女にとって初めてのジャズ・スタンダード集だ。

渡邊美和 ナチュラルヴォイス II T-TOC RECORDS(2014)

 「新作の話をいただいた時にすぐにスタンダードを歌いたいと思いました。前作ではボサノヴァなどをレコーディングしましたが、今回は、約10年前に初めてNYで本物のジャズに触れて、その奥深さに私もちゃんと歌えるようになりたいと思った時の気持ちが自分の中に蘇っていたこともあり、『ジャズを歌いたい』と思いましたね」

 収録曲は、《私を夢見て》や《朝日のごとくさわやかに》など有名な10曲。選曲は自身で決めたという。

 「選曲に関しては、自分で10曲にまで絞り込みましたが、悩んだというよりは直感に従った感じですね。アルバム全体のバランスも大切だと思いますが、それよりも今だったら一番いい状態で自分の感情を表現できるのでは、という曲を優先して選んでいます。なかにはアメリカで精神的につらくなると、よく聴いていたような想い出の曲も含まれています」

 NYで約2年半過ごした後で、バークリー音楽院でジャズを学んだ彼女は、新作のアレンジも担当。透明感に満ちたヴォーカルによる、繊細な表現を存分に生かすシンプルなアレンジが際立ち、レコーディングには音楽院時代からの友人らが参加している。

 「基本は私がアレンジしていますが、レコーディング・メンバーが私の意図するところを汲み取ってくれて、曲へのアプローチだったり、ニュアンスだったり、私のイメージどおりに仕上げてくれるので、本当にありがたいですね。また、思った以上にスウィング感が楽しかった《It’s All Right With Me》ではアレンジの重要性を再認識しました。レコーディングは楽しくて、終始リラックスして歌えたのがまた良かったです」

 収録曲にギターとのデュオで歌う《Embraceable You》があるが、彼女が言うリラックスの意味が伝わる、ロマンティックで、とても素敵な曲になっている。

 「アメリカ時代にギタリストとお互いの音を聴きながら、その場で音楽を作っていく楽しさを知ってから、ギターとのデュオが好きになりました。今回も何か1曲と思い、《Embraceable Me》でやってみると、曲の愛らしさをより一層引き出すことが出来たかな、と思っています」

 スタンダード集は、ジャズに目覚めたNYへのオマージュでもあるだろう。どの歌からも愛が感じられる。

 

 

LIVE INFORMATION
「NATURAL VOICE II」発売記念ライブツアー
○1/29(木) 19:00開演 会場:モーションブルー横浜 
○2/18(水) 19:00開演 会場:JZ Brat(渋谷) 

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