名古屋を中心に活動するピアニスト=林祐市を中心とするTRISPACEの3rd! かねてから海外のジャズの動向にリンクした音楽性を持っていたこのトリオですが、本作では〈日本人の目を通過したヨーロピアンジャズ〉とでも表現するべき個性がさらに深みへと向かっています。からっとした哀愁と繊細さを持つ楽曲に豊かな色付けをしていく端正で詩的なピアノ、そして多様なリズムパターンを堅実に支えるバックとのインタープレイからは、あまり目立って表出はしないものの確かな〈熱〉をヒシヒシと感じます。〈日本〉〈ヨーロッパ〉なんて括りでは捉えきれない広がりを持った、国境なき大傑作です!