DISC GUIDE

テイム・インパラやアーケイド・ファイアからコモン、ファン、大瀧詠一まで、ELOサウンドが生んだ作品たち

【PEOPLE TREE】エレクトリック・ライト・オーケストラ Pt.4

【PEOPLE TREE】
エレクトリック・ライト・オーケストラ
ロックンロールをシンフォニックに表現してみよう、きっとそこには誰もまだ見たことのない魔法のような世界が広がっているはずだから――希望を胸に、エレクトリック・ライト・オーケストラは飛び立った。あれから45年。ジェフ・リンの描く煌びやかな光は、いまなお私たちを虜にし続ける。しばしの休息を挿み、大いなるコスモスをめざして離陸のサインが点灯しはじめた。夢の時間はまだ終わらない……

★Pt.1 コラム〈ELO/ジェフ・リンの足跡〉はこちら
★Pt.2 コラム〈ELOサウンドの構成要素/ロイ・ウッド〉はこちら
★Pt.3 ディスクガイド〈ELOを知るための10枚〉はこちら
★Pt.5 コラム〈ジェフ・リンのプロデューサーとしての手腕〉はこちら

 


DO YA, DO YA WANT MY LOVE?
耳で聴いたピープル・トゥリー
ELOをめぐる音楽の果実は、ここに一本のトゥリーを生んだ

 

TAME IMPALA Currents Fiction/HOSTESS(2015 )

〈ビートル・サウンドを更新して現代にフィットさせたい!〉というケヴィン・パーカーの野望は、ジェフのそれと同じく。マーク・ロンソンから吸収したファンク/ソウルの旨みをさりげなく吐き出したメロウ・サイケな本作、ELOの“Last Train To London”や“Showdown”が好きな人ならきっと気に入ると思います! *山西

 

 

PUFFY Hit & Fun キューン(2007)

ユニコーン時代からELOの布教活動を積極的に行ってきた奥田民生。最大の成果は、ELOエッセンスの塊と言うべき大ヒット曲“アジアの純真”だろう。師匠の心を継ぐべく、後に2人は“Don't Bring Me Down”のカヴァーを発表。そうそう、『Zoom』の日本盤には民生と並んで彼女たちの推薦文も掲載されていましたね。 *桑原

 

 

COMMON The Dreamer, The Believer Think Common/Warner Bros.(2011)

ディプロマッツアブ・ソウルロイド・バンクスウィル・アイ・アムなどELOのサンプリング例は多数ありますが、特にかの名曲をベタ敷きした本作収録の“Blue Sky”は必聴。テン年代の流れを作ったカニエに対して、その師匠であるノー・IDが示した回答……とも言えそうな、コズミックな夢想世界にトロトロです。 *山西

 

 

ARCADE FIRE Reflektor Merge(2013)

重層的なストリングスが初期ELOを思わせる、オーケストラ編成のロック・バンド……というのはデビュー当時の姿。そこから徐々にメンバーが減り、本作ではジェイムズ・マーフィーを指揮官に迎えて我流のディスコを提示しています。この流れだと、近い将来はウィル・バトラーのソロ・ユニットになるんじゃ!? *山西

 

 

QUEEN A Night At The Opera Parlophone(1975)

ELOと同じ時代を駆け抜けたUKを代表するこの大物グループもまた、シンフォニックなロック・ナンバーを得意としていたが、彼らの分厚くて奥行きのあるオーケストラ風のサウンドは、ブライアン・メイのギターによる多重録音で作られたもの。万華鏡の如きめくるめくサウンドスケープに揺るぎない個性を感じさせる。 *桑原

 

 

大瀧詠一 A LONG VACATION ソニー(1981)

ロイ・ウッドへのシンパシーが強く感じられるウォール・オブ・サウンド名曲“君は天然色”を収めたポップ聖典。ロイ・オービソン信奉者という点ではジェフにも引けを取らない大滝師匠だ。この機会にデル・シャノンへのオマージュを込めた“我が心のピンボール”と、ELO版“Little Town Flirt”をぜひ聴き比べてみてほしい。 *桑原

※試聴はこちら

 

FUN. Some Nights Fueled By Ramen(2012)

ファンのネイトが大の70s英国ポップ好きと発言している記事を以前に読んだのですが、当人が口にせずとも、昂揚感のある歌メロ、シンフォニックな装飾、加工声も交えた分厚いハーモニーがELO(とクイーン)に由来していることは明白。今年はブライアン・ウィルソンとも共演するなど、着実にジェフの背中を追っています。 *山西

 

 

CUT COPY In Ghost Colours Modular(2007)

ニューレイヴ期にオーストラリアから飛来したこちらの3人組は、『Discovery』前後の音作りを模倣し、星屑を連想させるシンセ音を振り撒きながら、本作で“Four Little Diamonds”など複数のELO曲をネタ使い。彼らを中継地点に、ジェフはレディホークマイアミ・ホラーといった子孫を一気に増やしていくこととなるのです。 *山西

 

 

KELLY GROUCUTT Kelly RCA/エア・メイル(1981)

美麗なコーラスワークでバンドの全盛期を支えたベーシストによるソロ作。〈ELOはジェフ・リンだけじゃない!〉と主張するかのような甘酸っぱいメロディアス・チューンの数々は、本隊に負けず劣らずの品質だ。ストリングスを携えたバラード“Dear Mama”なんて、ELO好きなら涙なしに聴けないだろう。 *桑原

 

 

THE NEW PORNOGRAPHERS Brill Bruisers Matador(2014)

ビートルズの血統を継ぐパワー・ポップ楽団。結成15年目、そろそろヒネリを加えたいと考えた彼らは、『Xanadu』を参考に本作を録音したそうです。確かに一部のシンセ・リフは嬉しいくらいそのまんま。でも全体の音像にはMGMT以降のローファイ感があり、期せずしてELO世代とインディー世代の橋渡し役を担うことに。 *山西

 

 

PAUL WELLER Stanley Road Go! Discs/Island(1995)

〈イントロがモロに“10538 Overture”じゃん!〉と、本作の発表時にELO愛好家の度肝を抜いた“The Changingman”。それだけに留まらず、同じ曲中で“In Old England Town”のムーグ・パートまで引用してしまう徹底ぶりにはアッパレだ。これぞまさしくUKポップの良き伝承者としての面目躍如な仕事と言えよう。 *桑原

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ポール・マッカートニー