COLUMN

元タワー店員のデイヴ・グロールも登場! 米国タワレコの盛衰描いたドキュメンタリー映画「オール・シングス・マスト・パス」

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「アーティストの夢がリスナーと出会う場所だった」――ブルース・スプリングスティーン

 2011年に本作の監督であるコリン・ハンクスから、タワーレコードに「米国タワーレコードのドキュメンタリーを製作する構想があり、日本でもロケを行いたい」との連絡が入り、2年後の2013年に日本ロケが実現して、ゆっくりではありますがドキュメンタリーの製作が着々と進行して行きました。そして構想から4年後の2015年に入り、South by Southwestや全米のシアター上映等を経てDVD化され、この度日本でもタワーレコード限定発売という形でこのドキュメンターを観る事が出来る事になりました。

コリン・ハンクス,ラス・ソロモン オール・シングス・マスト・パス NBCユニバーサル・エンターテイメント(2016)

 この作品は、タワーレコード創業者であるラス・ソロモンの伝記と米国タワーレコードの盛衰ドキュメンタリーに留まらず、60年代から90年代に掛けてのアメリカにおける、音楽パッケージビジネスの歴史も垣間見る事ができます。そして、米国タワーレコードは独特の社風とビジョンを持ち合わせた集団であった事が良く判ります。またその中で、タワーレコードがいかに、ユーザーにもアーティストにも愛されていたという事が、ブルース・スプリングスティーンエルトン・ジョン、そして元ワシントンDC店のスタッフでもあったデイヴ・グロールのインタヴューから伝わってきます。特にブルース・スプリングスティーンは、リアル店舗について「レコード店は、アーティストの夢がリスナーと出会う場所であった」と、とても印象深いメッセージを語っています。

 日本の音楽ビジネスは、より多くの音楽ファンのニーズに応えるべく、リアル店舗、Eコマース、配信と多様な販売チャネルが在り、フィジカルとデジタルがバランスよく成りたっている。日本の音楽ファンがこのような恵まれた環境で音楽を楽しめている事を再認識して頂ければ、この『All THINGS MUST PASS』を、苦労して作り上げたコリン・ハンクスの想いが伝わるはずです。音楽業界に携わっている方々はもとより、音楽ビジネスに興味のある人は、必見のドキュメンタリー作品です。

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