紀尾井ホールで3月に行われたチャリティーコンサートをきっかけに生まれた実に5年ぶりの新録音となるアルバム。ハーモニクスに包まれ幻想的なイントロで始まる《ラプソディー・ジャパン》では、奇をてらわず実弟・村治奏一との息の合ったアンサンブルで、《浜辺の歌》《ふるさと》などの日本の抒情歌をうたい上げている。《さくら》や《とうりゃんせ》では、和琴の響きにも似た静かな間合いが生まれる。アメリカ在住の哲学者にして詩人エミリー・R・グロッショルツの詩集に自身が作曲したオリジナル曲も彼女らしい暖かさに包まれている。長期療養から戻ってきた彼女の強い意志を感じる良盤。