BUNとの『MUDDY WATER』(2014年)ではMCに徹していた奇才が全編を自身のビートと声で固めた新作で、ソロ名義でのラップ・アルバムは実に15年ぶりだそう。少年性を纏ったブルージーな語り口は無二のものだし、ソウルやダブ、サイケの断片で構築された不可思議で心地良い迷路のようなサウンドは、いわゆるビート・ミュージック好きにも驚いてほしいもの。唯一の客演となるCHIYORIの歌もいい。