児玉姉妹の初共演盤。チャイコフスキーの三大バレエをピアノ・デュオで収録しており、編曲は 《白鳥の湖》がランゲリと18歳時のドビュッシー、《眠りの森の美女》が18歳時のラフマニノフ、《くるみ割り人形》がアレンスキーで、何れも作曲者存命中に行われている。児玉姉妹のタッチは可憐な美しさを持ちながら芯が強く、弱音から強音まで絶妙に統御され、ある時は粒の揃った愉悦を聴かせ、ある時は豊かな和音を響かせている。万華鏡のような色彩と軽やかに疾走する音楽は、オリジナルのオーケストラ版には無い美しさで、チャイコフスキーの童心に返ったような夢想と純真さがいっそう強く伝わってくる。